呼吸筋が胸腔の体積を変化させるから息ができる
呼吸筋とは、呼吸運動に関与する筋肉の総称です。呼吸というと肺が動くものと思われがちですが、肺そのものには自ら動く機能はありません。肺を収めている胸腔の体積が変化させることで、空気を吸ったり吐いたりしています。胸腔の体積を変化させる筋肉が呼吸筋というわけです。
呼吸運動は腹式呼吸と胸式呼吸
胸椎に肋骨と胸骨を加えた胸郭の動きは、おもに呼吸運動に関与します。呼吸運動は大きく分けると、腹式呼吸と胸式呼吸の2つです。
呼吸運動の9割を占める腹式呼吸は、横隔膜の上下運動によるもの。横隔膜は胸腔と腹腔を区切るドーム型をした膜状の筋肉です。息を吐くときに横隔膜が上がり、息を吸うときに横隔膜が下がります。
残り1割の胸式呼吸は、胸郭の上下運動に伴う胸腔の容積の拡大と縮小によるもの。息を吐くときには胸郭が下がり、息を吸うときに胸郭が上がります。
呼吸筋は横隔膜と肋骨を動かす筋肉
これら呼吸運動に関係する筋肉は呼吸筋と呼ばれています。腹式呼吸で使われる横隔膜だけでなく、胸式呼吸で使われる外肋間筋や内肋間筋、肋下筋なども呼吸筋です。
外肋間筋は肋骨の間をつなぐ筋肉で、肋骨を引き上げて呼吸運動に関与。一方の内肋間筋は肋骨を下げて呼吸運動に関与します。肋下筋は肋骨の内側にある筋肉で、肋骨を1~2本またいで連結。肋骨を下げて呼吸運動に関与します。
このほか、呼吸筋としては肋骨挙筋や胸横筋が関与。これらの筋肉の収縮・弛緩が肋骨を動かして胸郭が拡大・縮小。呼吸が行われているのです。
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