隠れ中性脂肪は内臓脂肪が多い人ほどなりやすい
健康診断の中性脂肪の数値が正常でも、じつは食後に中性脂肪の数値が基準値を超えてしまう「隠れ脂肪」の人が増えています。これは食後に増える中性脂肪を分解する酵素であるリポ蛋白リパーゼの働きが、なんらかの原因で弱ることでおこるもの。その原因が内臓脂肪なのです。
中性脂肪の分解が追い付かずに上昇
私たちが食事をすると、脂肪分は小腸から吸収されて中性脂肪へと変化。血液に乗って全身に運ばれます。しかし、中性脂肪が増え始めるとただちにそれを分解する物質が分泌。それがリポ蛋白リパーゼと呼ばれる酵素です。
健康な人の場合、中性脂肪が増えてもリポ蛋白リパーゼがすみやかに中性脂肪を分解。そのため、食事で上がった中性肪の数値も基準値を超えることなく元に戻ってしまいます。
ところが、なんらかの原因でリポ蛋白リパーゼの働きが弱まると、食後の中性脂肪の分解が追い付かずにグングン上昇。基準値を超えてしまうことになります。それが「隠れ中性脂肪」と呼ばれる状態です。
中性脂肪の分解酵素の働きが悪化
そして、隠れ中性脂肪は内臓脂肪が多い人ほどなりやすいことがわかってきました。内臓脂肪というのは、食事や運動の影響がダイレクトに出るもの。食事が増えて運動不足になるとすぐに溜まってしまいます。
そして、内臓脂肪が増えると中性脂肪の分解酵素であるリポ蛋白リパーゼの働きが悪化。中性脂肪が増えてしまいます。つまり、内臓脂肪が溜まっている人のほうが、中性脂肪を分解できない人が多いのです。
実際、隠れ中性脂肪の人の内臓脂肪をMRIで調べてみると、メタボリックシンドロームの基準値をオーバーもしくはギリギリの人ばかり。すなわち、内臓脂肪が多い人ほど隠れ中性脂肪になりやすいのでした。
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