呼吸筋を鍛えることで肺の弾性低下をカバーする
呼吸筋とは、呼吸に関わっている筋肉のこと。肺そのものは自力で膨らんだり縮んだりするわけではありません。肋骨に囲まれた胸郭を呼吸筋が広げたり縮めたりすることで、肺が膨らんだり閉じたりしています。なかでも鍛えておくべき呼吸筋は息を吐くための呼息筋。肺の弾性低下をカバーします。
呼吸筋は息を吐くときは途中参加
肺と肺を取り囲む胸郭のあいだにあるスペースを胸腔といいます。呼吸筋によって胸郭が広がると、胸腔の圧力が低くなって、それに引っ張られて肺が膨らむのです。
ただし、縮むときは少し話が違います。肺は自力である程度は縮むことができるのです。これは、肺にはゴムのような弾性があるため。一度広がったら元の状態に戻ろうとするのです。
とはいえ、息を吐き切るまでの弾性はないため、途中からは呼吸筋が参加。胸郭が縮まって胸腔の圧力が高まるため、肺が縮んで息を吐き切ることができるというわけです。
呼吸筋の中でも呼息筋を鍛える
ここで注意したいのが、肺も加齢とともに老化していくということ。肺の弾性は年齢とともに低下していきます。すると、肺はいったん広がるものの、ゴムのような弾力性が失われてしまい、十分に縮むことができません。
すると、最大限に息を吸い込んで吐き出す肺活量も低下。日常生活での呼吸も十分に空気を吐くことができないため、息苦しさを感じるようになるのです。肺の弾力性の低下は避けることはできません。
このため、呼吸筋を若いうちから鍛えておくことがとても大切になります。とくに、呼吸筋の中でも息を吐く呼息筋を衰えさせないようにすること。息を吐く呼息筋は腹横筋など腹腔をコントロールする筋肉が深く関わってきます。腹部のインナーマッスルがじつは肺の弾性低下をカバーしてくれるのです。
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