有酸素運動の効果で認知症を予防するメカニズム
海外の研究で、ある運動をおよそ半年間行ったところ、脳の認知機能が改善したという結果が出ました。そこで問題です。認知症予防に効果が期待できるのは、ウォーキングなどの有酸素運動と筋トレなどの無酸素運動のどちらでしょう? じつは有酸素運動の効果で認知症を予防することができるのです。
有酸素運動の効果でBDNFが産生
無酸素運動と有酸素運動の違いは、運動中に必要なエネルギー源をどのように作り出すかにあります。酸素を使わずに作り出したエネルギーを使うのが無酸素運動、酸素を使って作り出したエネルギーを利用するのが有酸素運動です。
そして、認知症の予防効果に期待できるのは有酸素運動です。有酸素運動では、認知症予防に効果が期待できる体の中で新たな物質が作られます。それが「BDNF」という、脳由来神経栄養因子というタンパク質です。
有酸素運動をすると、その効果でBDNFが脳内で産生。これと同時に運動で筋肉が収縮することでもBDNFが生まれています。これも脳に一部伝わることで、脳の活性化に役立っていると考えられているのです。
有酸素運動の効果で認知機能が改善
加齢などが原因で脳の神経細胞が減ると、神経細胞同士のネットワークが弱くなってしまいます。しかし、BDNFが神経細胞のネットワークを復活させるという最新研究があるのです。
BDNFの分泌量には加齢変化があります。若い人に比べると、歳をとるほど分泌量が少なくなってきます。ただし、高齢の人でも何らかの手立てで分泌量が増えてくる可能性があるのです。その秘訣が有酸素運動になります。
とはいえ、有酸素運動なら何でもよいというわけではありません。息が少し上がる程度のウォーキングや速歩きが有効です。オーストラリアのメルボルン大学の研究では、週に3回、150分程度のウォーキングなどの有酸素運動を約半年行ったところ、認知機能に改善効果があったといいます。
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