無酸素運動は「最大酸素借」の向上がカギを握る
無酸素運動といえば筋トレやダッシュなどの激しい運動で、有酸素運動といえばジョギングなどの軽めの運動というのはご存じのとおり。その違いはエネルギー供給に酸素を利用しているかどうか。無酸素運動は文字どおり、酸素を必要としません。そんな無酸素運動は「最大酸素借」の向上が重要です。
無酸素運動には乳酸性と非乳酸性
運動には必ず、筋肉を収縮するためのATPという物質が必要になります。ただし、ATPは筋肉内には少量しかないため、運動しながら作り出さなければなりません。無酸素運動は、無酸素性エネルギー供給機構によってATPを作り出すわけです。
この無酸素性エネルギー供給機構には、ATPを作り出すときに乳酸が生成される乳酸性エネルギー供給機構と、乳酸が発生しない非乳酸性エネルギー供給機構に大きく分けられます。
ここで有酸素運動は有酸素エネルギー供給機構のため、酸素摂取量を測定すればエネルギーを数値化できます。しかし、無酸素運動はすべて筋肉内の化学反応によるもののため、数値することができません。
無酸素運動は最大酸素借向上が重要
そこで利用されているのが酸素借という考え方。運動をすると必要な酸素量まで達して有酸素性エネルギー供給機構がフル稼働するまでのあいだ、無酸素性エネルギー供給機構からエネルギーを借りることで補っています。
この酸素借の最大値が「最大酸素借」。無酸素性エネルギー供給機構が供給するエネルギー量の最大値になります。この最大酸素借には個人差があって、それが400m走などの中距離走のタイムに深く関わるのです。
すなわち、無酸素運動は最大酸素借の向上がとても重要ということ。最大酸素借を高めるには、無酸素性エネルギー供給機構を刺激するような、短時間で行う高強度なトレーニングが有効になります。
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