インナーマッスルのトレーニングは「力を抜く」
人間はインナーマッスルなしでスムーズな動作はできません。体の表層にあるアウターマッスルが関節を動かすとき、深層にあるインナーマッスルは大きな力が発揮できるように関節を固定しています。インナーマッスルは運動能力向上に欠かせない筋肉なのです。どのようにトレーニングすればよいのでしょう。
インナーマッスルは勝手に動く筋肉
人間の体の筋肉は大きく分けて、心臓を構成する心筋、内臓を構成する内臓筋、そして骨に付着して関節を動かす骨格筋の3種類があります。このうち、意識的に動かせる随意筋と呼ばれるのは骨格筋のみです。
インナーマッスルも随意筋になりますが、自分の意志とは無関係に自動制御されている筋肉でもあります。姿勢を保持したり関節を固定したりというインナーマッスルの働きは、意図的ではなく勝手に動いてしまうものです。
このため、インナーマッスルはいくらトレーニングやストレッチを繰り返しても、うまく働いてくれません。その結果、何らかの歪みやバランスのズレなどから、インナーマッスルは凝り固まったり、逆に緩みすぎたりしてしまうのです。
インナーマッスルトレーニングの目的
インナーマッスルのトレーニングの目的は、筋肉を柔らかくしてうまく機能するようにすること。インナーマッスルの凝りや緩みを解消することで関節がスムーズに動くようにして、アウターマッスルの力が有効に発揮できるようにするのです。
とはいえ、インナーマッスルをトレーニングしようと無理に自分の意志で動かそうとすると、その周辺にあるアウターマッスルが働いてしまいます。そこで、インナーマッスルのトレーニングはまず「力を抜く」のです。
力を入れるとアウターマッスルが動作してしまうので、力を抜いてインナーマッスルだけが動く環境を作ります。スポーツジムなどでストレッチポールを背骨に当てて、仰向けで体を揺らしている光景を見たことがあるでしょう。
力を抜いた動作を繰り返すことでインナーマッスルが徐々に緩んで、インナーマッスルだけが働くようになります。こうして、自分の意志でインナーマッスルを動かせるようにトレーニングしていくのです。
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