コアトレーニングと体幹トレーニングの違いとは
いまやあらゆる場面で体幹という言葉が使われるようになりました。また、同じようにコアトレーニングもよく耳にします。はたして、コアトレーニングと体幹トレーニングは何が違っているのでしょうか? 簡単にいえば、コアトレーニングは体幹トレーニングの一部といえます。
コアトレーニングとは?
解剖学的にいえば、体幹とは四肢と頭部を除いた胴体部分のことになります。体幹にくっ付いている筋肉が体幹筋ということです。すなわち、体幹トレーニングとは体幹筋の筋トレと考えるとよいでしょう。
一方、コアと呼ばれるのは体の核となる部分。体幹の中でもとくに肋骨から下、骨盤より上にある腹部を指します。腹部には骨格が背骨しかないため、全身を動かすときにはコアの安定性が欠かせません。
コアは具体的には、上部が横隔膜、下部が骨盤底筋、側面が腹横筋で囲まれた部分のこと。これらのインナーマッスルを鍛えることが、コアトレーニングということです。
コアトレーニングの重要性
つまり、コアトレーニングは体幹トレーニングの一部ということ。体幹の中でもとくに、腹部のインナーマッスルを鍛えることをコアトレーニングと呼ぶのです。
一般的な体幹トレーニングは、インナーマッスルとアウターマッスルの両方を鍛えています。しかし、体幹トレーニングもインナーマッスルを正しく使えない状態では、あまり効果ないと指摘され始めているのも事実です。
その意味で、体幹トレーニングもインナーマッスルを意識することが大切。言い換えれば、体幹トレーニングの中でもコアトレーニングの重要性が見直されているといえるでしょう。
コアトレーニングの基本メニュー
コアと呼ばれるインナーマッスルは横隔膜・多裂筋・腹横筋・骨盤底筋群の4つ。骨格が背骨しか存在しない腹部を囲うような構造になっています。そして、このコアを鍛えるコアトレーニングの基本メニューがプランクです。
プランクは床にうつ伏せになって、左右のひじとつま先を床につけて、体を床から引き上げから頭からかかとまでが一直線になるようにしてキープ。ひじは肩の真下で床につけて、あごは上げずに引くのがコツ。背筋はまっすぐにして、お尻は意識的に引き締めます。コアにしっかり力を入れて、30秒間キープしてください。
コアトレーニングのプランクは、体勢を変えることで負荷を変えることができます。ひじを肩の真下につく基本プランクができたら、片手をまっすぐ前方に伸ばすのです。手を伸ばしても骨盤は床に平行のまま。左右5回ずつ繰り返します。
コアトレーニングの負荷をさらに上げるなら、ひじのつく位置を額の真下に置いてください。ひじを手前方向に引くイメージで、コアに力を入れるのがコツです。
コアトレーニングで鍛える筋肉
コアトレーニングをするときには、コアを構成する4つのインナーマッスルについて理解しておいたほうが効果的。その働きを見ておきましょう。
まず腹横筋は腹筋の最下層で、お腹を包むように存在。腹横筋には、呼吸のときに横隔膜と連動して腹圧を上げる働きがあります。横隔膜は、胸郭と腹腔のあいだに位置する筋肉。腹横筋と共同して働いて胸郭と腹腔の圧力をコントロールします。
骨盤底筋群は、骨盤を下からハンモック状に支えている筋肉群。腹横筋と連動して収縮することで骨盤を安定させる働きがあります。多裂筋は、背骨のヨコにある横突起と中央にある棘突起を2つまたぎで斜めにつないぐ筋肉。背骨全体に逆V字で細かく位置しており、脊柱全体を支えています。
コアトレーニングでパワーがアップ
コアトレーニングをすると、さまざまなスポーツでパワーがアップが可能です。コアをトレーニングすると腹圧が高まります。人間のあらゆる動作の起点となるのがこのコア。コアトレーニングでまず瞬発力がアップします。
加えて、スポーツで重要なのが上半身と下半身の連動です。たとえば、野球のピッチングは椅子に座って投げるのと立って投げるのとでは、パワーがまったく違います。スポーツのパワーの源は上半身と下半身の連動。そして、上半身と下半身のパワーを伝え、さらには増幅するのがコアトレーニングなのです。
硬いゴムと柔らかいゴムでは、硬いゴムのほうがすばやく元の形に戻ります。下半身のひねりで生み出されたパワーは、コアトレーニングによる硬いゴムのような腹圧ですばやく上半身に伝えられ、強い球として出力されるのです。これがコアトレーニングでパワーがアップする理由になります。
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