筋肉量の減少は抗重力筋の大腿四頭筋から始まる
体の中で真っ先に筋肉量が減少するのが太もも前面にある大腿四頭筋です。大腿四頭筋は体の中でもっとも大きな筋肉であると同時に、抗重力筋という重力に対抗する筋肉。このため、立ったり歩いたりする機会が減ると、真っ先に筋肉量が減ってしまうのです。
筋肉量の減少について調べた実験
大腿四頭筋は体の中で最大で、もっとも力の強い筋肉。立ったり歩いたりといった人間の基本動作の大半に関わります。この大腿四頭筋をはじめ、体の中でも筋肉量が減りやすい部分が抗重力筋と呼ばれる筋肉群です。抗重力筋とは、その名のとおり重力に対抗するための筋肉になります。
抗重力筋は、寝たきりになったりして重力に対抗しない環境下に置かれると、あっという間に筋肉量が減少します。筋肉も含めて、人間の体のあらゆる組織は使わないでいると、どんどん衰えるものです。
筋肉量の減少について調べた実験があります。この実験ではスポーツ選手を含む健康な20代の青年5人を石膏で固めて動けないようにして3週間、寝かせたおいたときに筋肉量がどう変化するかを調べたものです。
大腿四頭筋の筋肉量が減少する
すると、抗重力筋をはじめ全身の筋肉量が減少してしまい、3週間後には立つことすらできませんでした。しかも筋肉量が減少しただけでなく、心臓など多くの臓器の働きまで低下。骨量も減少していたのです。
無重力の宇宙空間でも、これと同じ現象がおこります。宇宙に6か月滞在する宇宙飛行士は、無重力環境下での筋肉量の減少を防ぐために、毎日2時間、20種類もの筋肉トレーニングと有酸素運動を欠かしません。それでも地球に帰還した後は、重力に慣れるために1か月半ものリハビリが必要になります。
筋肉量の減少は、寝たきりや宇宙空間などの特別な条件化でなくてもおこるもの。家庭や職場で座ってばかりいる生活や、どこへ行くにも車や電車を利用して自分の足で歩かない生活を送っていると、抗重力筋の中でもとくに筋肉量の多い、大腿四頭筋の筋肉量が減少してしまうのです。
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