大腿四頭筋の重心移動にブレーキをかける役目
ひざを伸ばす動きの主働筋が、太もも前面の大腿四頭筋です。大腿四頭筋は大腿直筋、中間広筋、内側広筋、外側広筋から構成。大腿四頭筋は複合筋として人体で最も体積が大きい筋肉群であり、強い筋力を発揮します。この大腿四頭筋はブレーキをかける筋肉でもあるのです。
大腿四頭筋にブレーキをかける役目
大腿四頭筋にはひざを伸ばす働きのほか、ブレーキをかける重要な役目があります。ジャンプの着地や走行のストップ、スピードを押さえて坂道を下るといった局面で、ひざを伸ばす力を利用して、体全体の勢いを止める重要な役割を果たしているのです。
大腿四頭筋でブレーキをかける動きは、たとえば片足を踏み出すスポーツであるフェンシングでは重要。大腿四頭筋の力で踏み込み動作の重心移動にブレーキをかけています。
このひざ関節を伸ばす動きは、大腿四頭筋のうち大腿直筋よりも広筋群のほうが貢献度が高いもの。ただし、瞬発的なひざ関節を伸ばす動きの貢献度は、大腿直筋のほうが高くなります。
大腿四頭筋の筋トレにシットアップ
大腿直筋と広筋群の大きな違いは、広筋群がひざ関節のみをまたぐ単関節筋であるのに対して、大腿直筋は股関節とひざ関節をまたぐ二関節筋であること。ひざ関節を伸ばす動きのみに働く広筋群に対し、大腿直筋は股関節を曲げる動きにも作用します。
このため、大腿直筋の強化にはひざ関節を伸ばす筋トレメニューだけでなく、股関節を曲げるメニューも取り入れるのが効果的。大腿四頭筋全体を刺激できます。
このため、ブレーキとして働く大腿四頭筋の筋トレには、ひざを曲げて行うシットアップが効果的。腹直筋や腸腰筋とともに、大腿直筋を刺激できるのです。
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