腹式呼吸は2種類ある!順式と逆式で効果が違う
お腹をふくらませて行う腹式呼吸には「順腹式呼吸」と「逆腹式呼吸」があるのをご存じですか? お腹をふくらませるタイミングがまったく逆なこの2種類の呼吸法、じつは順式と逆式で健康効果にも違いがあります。やり方次第では腹筋のインナーマッスルを鍛えることもできるのです。
腹式呼吸の効果で新陳代謝アップ
腹式呼吸といえば、呼吸をするときにお腹をふくらませる呼吸法。対義語的には、呼吸のときに胸をふくらませる「胸式呼吸」です。使用する体の部位でいえば、肋骨を広げたり閉じたりするのが胸式呼吸と、横隔膜を上下させるのが腹式呼吸ということになります。
一般的に腹式呼吸といえば、息を吸ったときにお腹をふくらませ、吐いたときにへこませるものですが、これは順腹式呼吸と呼ばれる方法。じつは逆腹式呼吸というのも存在していて、こちらは息を吐いたときにお腹をふくらませ、吸ったときにへこませます。
腹式呼吸の効果としては、浅くなりがちな呼吸を深くゆっくりすることで、リラックス時にはたらく副交感神経が優位になること。自律神経のバランスを整えるというものです。
また、お腹を積極的に動かすことで内臓の血行がよくなって、新陳代謝がアップ。内臓脂肪の燃焼効果があるのです。さらには、胃腸が刺激されて消化機能が高まったり、それに付随して冷え性が改善する効果もあるといわれています。
逆腹式呼吸のほうが効果が高い
それでは、順式と逆式とでは効果に違いはあるのでしょうか? 順腹式呼吸の場合、息を吸ったときに横隔膜が下がってお腹がふくらみます。一方の逆腹式呼吸が横隔膜が下がったときに、お腹がへこむのです。
順複式呼吸では、腹腔内の容量はあまり変わりませんが、逆腹式呼吸では横隔膜筋が下がったときにお腹も収縮。腹腔内の容量が小さくなります。この腹腔内の収縮と拡張によって、内臓がより大きく動くことになるのです。
その意味で、腹式呼吸の効果として挙げられる内臓脂肪の燃焼や消化機能のアップなどは、逆腹式呼吸のほうがより高まるということ。お腹を収縮させるために腹筋を使うので、インナーマッスルを鍛えることにもなります。
とはいえ、逆腹式呼吸は気功の鍛錬にも使われる呼吸法。お腹をふくらませたり、へこませたりするタイミングは難易度が高くなります。ふだんは順腹式呼吸を心がけて深い呼吸をして、思い立ったときに逆腹式呼吸をして健康効果を高める…というのが正しい腹式呼吸のやり方といえるでしょう。
逆腹式呼吸で換気能力がアップ
また、逆式の腹式呼吸のほうが空気を効果的に取り込めます。息を吸うときにお腹をへこませると横隔膜が吊り上がって肺を押し上げられ、さらに容量が大きくなるのです。
逆腹式呼吸の酸素の取り込み効果は胸式呼吸の倍以上、順式の腹式呼吸と比べても多くなります。そして、横隔膜を下げるように息を吐くことで、老廃物の二酸化炭素を十分に排出。肺の換気能力がグンとアップするのです。
肺の中で酸素と二酸化炭素のガス交換を行っているのは肺胞という袋状の組織になります。この肺胞の壁は薄い膜でできていて、肺全体がふくらんで圧力がかかるほど広がるよう構造です。
ここで逆式の腹式呼吸は横隔膜を上げて肺をふくらます呼吸法。肺胞の壁が完全に広がって、酸素と二酸化炭素のガス交換がしやすくなります。体内で発生した毒素は排出され、同時に新鮮な酸素が全身に行き渡るというわけです。
■「腹式呼吸」おすすめ記事
お腹引き締めなら「鼻でゆっくり腹式呼吸」
腹筋の正しい鍛え方には「腹式呼吸」が大切だった
腹式呼吸の練習でインナーマッスルが鍛えられる
■「インナーマッスル」おすすめ記事
「体幹」と「インナーマッスル」の鍛え方の違い
女性が腹筋を鍛えるならインナーマッスルが最適
細マッチョになる筋トレがインナーマッスル腹筋!
基礎代謝量を上げる秘密はインナーマッスル腹筋
腹筋を割る方法!インナーマッスルに秘密アリ!!
■「お腹」おすすめ記事
ぽっこりお腹の原因「内臓下垂」を解消する筋トレ
腸腰筋ストレッチでぽっこりお腹を即効解消!