肉離れとはどんなときに発症しやすいものか?
肉離れとは、局所に強い力が一気にかかることで、筋組織が断裂をおこしてしまう外傷のこと。筋組織の損傷レベルが軽度のものを肉離れ、重度のものを筋断裂といいます。肉離れとは、どんなときにおこりやすいものなのでしょう? 肉離れの要因を詳しく見ていきます。
肉離れとはどんなときに発症?
そもそも筋肉は、結合組織の膜に覆われた強固で壊れにくい構造になっています。ところが、想定外の強い力や局所的に大きな力が加わることで、丈夫なはずの筋膜が破れたり裂けたりすることがあるのです。
しかも、筋膜には血管や神経が走っているため、出血や強烈な痛みが同時におこります。これこそが、いわゆる肉離れの状態です。
それでは、肉離れとはどんなときに発症しやすいものなのでしょう? 肉離れはジャンプ動作やダッシュ/ブレーキ動作など、瞬間的に過度に強い力が加わったときにおきやすいもの。とくに大腿部やふくらはぎなど、下肢に発症するケースが多いのが特徴です。
肉離れとは伸張性収縮でおこる
よくあるケースとしては、拮抗筋同士が同時に収縮するときに、弱いほうの筋肉が負荷に耐え切れずにおこす断裂が挙げられます。つまり肉離れとは、筋肉が引き伸ばされながら力を発揮する伸張性収縮による動作で、大きな力が不均一にかかるときにおこると考えられているのです。
たとえば強くジャンプするとき、ひざを伸展する大腿四頭筋、股関節を伸展する大殿筋やハムストリングスが同時に伸張性収縮しています。このとき、ももの前側にある大腿四頭筋に対して、裏側にあるハムストリングスの筋力が極端に弱かったり、柔軟性が不足していたりすると危険。ハムストリングスに限界を超える伸張性の力が加わり、肉離れをおこすのです。
また、ダッシュしながらの方向転換や切り返し動作のときにも、瞬間的に大きな力がかかるため、肉離れをおこしやすくなります。そのほか、寒さで筋肉が温まっていなかったり、疲労していたりすることも肉離れの要因です。
肉離れを予防するにはストレッチ
肉離れを予防するには、運動前のウォーミングアップにストレッチを行うのが有効。心拍数が上がり、筋肉の血流量を増やして栄養と酸素を送って筋肉の温度が上がります。発揮される運動能力は高まって、肉離れなどの怪我もしにくくなるのです。
ストレッチには、静的ストレッチと動的ストレッチがあります。静的ストレッチは目的の筋肉をゆっくりと伸ばし、適度に伸びたところでキープする方法。一般的にいわれるストレッチです。一方の動的ストレッチは、柔軟体操のように静止せずに腕や脚の曲げ伸ばしをする方法になります。
肉離れとは伸張性収縮でおこるもの。その意味では、肉離れを予防するのに効果が大きいのは静的ストレッチです。一方の動的ストレッチは、筋力や瞬発力が上がるので転びにくくなり、捻挫や骨折の予防になります。
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