筋トレ前に食事するならどの時間帯が正解？

筋トレをする時間帯によっては筋肉が減ってしまうことがあります。それは食後4時間以上、経過したあとの筋トレです。体内に十分な炭水化物がないと、筋肉が分解されてエネルギー源として使われてしまうのです。筋肉が増えるメカニズムと筋トレに最適な時間帯を考えていきます。

筋トレ前の食事に最適な時間帯

まず筋肉の元になるのはタンパク質です。食事で摂ったタンパク質は一度、最小単位のアミノ酸に分解されます。一方で、筋肉の細胞である筋線維は水分を除くと大部分はアミノ酸から合成されたタンパク質です。

すなわち、体に取り込まれたタンパク質はいったんアミノ酸に分解され、血液によって運ばれて組み替えられたうえで、再びタンパク質として合成されて筋肉となっています。

このため、筋トレ前や筋トレ中にタンパク質を主成分としたプロテインやアミノ酸を摂取すると、筋肉が増えるわけ。とはいえ筋トレ前にしっかり食事を食べていれば、タンパク質は十分に摂取できています。すなわち、食後2～3時間後が筋トレに最適な時間帯といえます。

一方で筋肉の細胞である筋線維では、周囲からアミノ酸を取り込んでタンパク質に合成して筋肉を作る「合成」という作業と、反対にタンパク質を分解してアミノ酸にする「分解」という作業が同時進行しているのです。

合成が上回れば筋肉が増えて、分解が上回れば筋肉は減ります。このため、筋肉を増やすには合成を促進することと、分解を抑制することが必要です。

合成を促すのは、筋トレをすると分泌される成長ホルモン。この時間帯に筋繊維のまわりにアミノ酸があれば、合成が進みます。

逆に分解を促すのは、血糖値の低下です。血糖値は食後にピークに達して徐々に低下しますが、血糖値が下がると血糖を上げるホルモンが分泌。体内に貯蔵している炭水化物を分解して血中に放出して血糖値を上げます。

このとき炭水化物が足りないと、筋肉内のタンパク質もアミノ酸に分解されてしまうのです。分解されたアミノ酸は肝臓で糖に変えられ、エネルギー源として使われます。

このため、筋肉にはタンパク質だけでなく、分解を防ぐために炭水化物も必要です。筋トレの2～3時間前にしっかり食事をして炭水化物を摂っていれば、筋トレ中も血糖値は適度に保たれて、筋肉の分解を抑えられます。

しかし、食後4時間を経過して筋トレする場合には、タンパク質も炭水化物も不足してしまうのです。つまり食後4時間以上、経過したあとの時間帯は筋トレに不向き。筋肉が減ってしまう可能性があるのです。

どうして食後4時間以上経過した時間帯に筋トレする場合は、筋トレ1時間前にハムサンドやシャケおにぎりなどを食べるとよいでしょう。血糖値の低下を避けるとともに、筋肉の合成に必要なタンパク質を補うことできます。

なお、筋トレ後の時間帯の食事にも気をつかうことも肝心。筋トレによって傷ついた筋肉を治すのにもタンパク質が必要だからです。栄養の補給は筋トレ後、できるだけ早く行ったほうが吸収がよくなります。筋トレ後30分～1時間以内に摂るのが望ましいでしょう。

とくにオススメは、コップ1～2杯の牛乳を飲むこと。低脂肪乳でも、ヨーグルトやチーズなどの乳製品でもかまいません。アミノ酸を含んだ乳製品を摂ることでアミノ酸がどんどん筋肉の中に入っていき、筋肉が太くなっていくのです。

筋トレの食事に牛乳

ただし、筋トレ直後の食事には注意が必要です。というのも運動中、血液は筋肉部分に多く流れています。胃や腸などの内臓には最低限の血液しか流れていません。

このため筋トレ直後に、胃や腸に負担のかかる食事をするのはNG。スポーツドリンクも冷たいものでなく、常温のものにするくらいの配慮が必要です。

筋トレ直後の時間帯に食事をすると、胃や腸を壊す原因。それだけでなく、本来は筋肉の疲労物質や代謝に使われるべき血液が、消化のために使われてしまいます。胃腸の不調を招くだけでなく、疲労回復も遅らせることになるのです。

なお、筋トレ後は水分や栄養を補給する前に、筋肉に集まった血液を内臓などに戻すクールダウンを行いましょう。軽く走った後はストレッチで身体をほぐして、血液のバランスを取り戻します。筋トレ後にシャワーを浴びるのも、血液の流れを円滑にするため効果的です。

ただし、筋トレ直後の時間帯の入浴はNG。かえって疲労回復を遅らせてしまいます。お風呂に入ると体温を調整するために、皮膚や末端の血管が拡張して血流量が増えてしまうからです。

体内の血液量は一定ですから、皮膚や末端の血流量が増えた分、筋肉内の血流量が減ることに…。これが筋トレ直後の時間帯に入浴することが、疲労回復を遅らせてしまう理由です。なお、シャワーは体を温めるまでには至らないので、筋トレ直後の時間帯でも問題はありません。

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投稿者：deepmuscle

最終更新日：2017/11/16