脂肪細胞は一度増えると痩せてもなくならない
脂肪は突き詰めると脂肪細胞の固まり。脂肪細胞は基本的には20歳前後まで作られて、それ以降は増えないものです。しかし、不摂生な生活で太ると最大で通常の2倍にまで増殖。しかも脂肪細胞は一度増えるとやせてもなくならないため、肥満からなかなか抜け出せないのです。
太った人と痩せた人の脂肪細胞の差
皮下脂肪でも内臓脂肪でも、体脂肪を溜める細胞は同じ「脂肪細胞」です。脂肪細胞の大半を占めるのは、脂肪滴と呼ばれる中性脂肪。中性脂肪は、脂肪酸とグリセロールで構成されています。
脂肪細胞の直径は0.08mmほど。余ったカロリーを溜め込むと脂肪滴が大きくなり、風船が空気を入れて膨らむように脂肪細胞も膨らんできます。脂肪細胞は最大で直径0.14mmまでサイズアップするのです。
この脂肪細胞、思春期まで盛んに作られて、20歳前後で400億個ほどになります。そして、脂肪細胞はそれ以降は増えません。じつは基本的には、太った人と痩せた人の脂肪細胞の数は同じ。その差は脂肪細胞のサイズなのです。
脂肪細胞は痩せてもなくならない
ただし、カロリー過多の不摂生な生活で太ると、全身の脂肪細胞がフルに体脂肪を溜めても追い付きません。一方で、脂肪細胞はサイズの限界を超えて大きくなるのは不可能です。
そこで隠しておいた脂肪細胞の赤ちゃん細胞を立派な大人の細胞に成長させます。その結果、太りすぎると脂肪細胞は最大で、通常の2倍にあたる800億個にも増えるのです。
脂肪細胞の寿命は10年なので、一度作られた脂肪細胞は痩せてもなくなりません。体脂肪を溜めるタンクは常にスタンバイ状態なので、油断すると余ったカロリーは脂肪細胞に流れ込むことに…。いつまでも肥満から抜け出せない状態になるのです。