仙腸関節のロックでおこる靭帯損傷がぎっくり腰
骨盤は寛骨と仙骨と尾てい骨という3種の骨の総称。寛骨は腰の出っ張り部分の腸骨と、座ったときに座面が当たる坐骨と、両足の付け根のあいだにある恥骨から成り立っています。このうち仙骨と腸骨のあいだが仙腸関節。この仙腸関節のロックでおこるぎっくり腰のメカニズムを解説します。
骨盤は上半身と下半身を支える
この骨盤は、上は体の支柱ともいえる背骨、下は両脚の付け根につながっています。体のほぼ中心にあって、上半身と下半身をバランスよく支えながら運動の視点となっているのです。
また、骨盤の内側には腸や内臓、生殖器などがあり、骨盤のゆがみや硬さは、それらの内臓の機能に影響を及ぼします。具体的には、血行が悪くなることによって生じる痛みや、便秘や冷え性などのさまざまな不調です。
骨盤を構成している骨同士は強い靭帯でしっかりと結ばれているので、それらが動いたりずれたりすることはありません。骨盤を動かすときには、骨盤全体を動かすことを意味します。
仙腸関節が上半身と下半身を結ぶ
ただし、骨盤の中でずれる可能性が唯一の例外が仙腸関節です。仙骨と腸骨をつなぐ部分が仙腸関節。仙骨は背骨につながり、腸骨は両脚につながっています。いわば仙腸関節が上半身と下半身を結んでいるのです。
そして、仙腸関節は骨盤や背骨の角度に合わせて複雑な動きをしています。じつは仙腸関節には背骨の免震構造のような働きがあるのです。
この仙腸関節に強い力が加わってロックしてしまうのが、いわゆるぎっくり腰です。仙腸関節の微妙な動きが固まってしまうことで、周囲の靭帯が急に引っ張られて損傷。これがぎっくり腰の原因なのです。
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