初動負荷トレーニングは嘘でなく筋肥大しないだけ
メジャーリーグで活躍するイチロー選手が取り入れていたことで知られる「初動負荷トレーニング」。バットを振る動作のように初動に負荷のピークが来るトレーニング法です。初動負荷トレーニングは動きの質を高めるもの。このため、筋肥大効果はほとんど期待できません。初動負荷トレーニングが嘘といわれるのは、あまり筋肥大しないことに理由があります。
初動負荷トレーニングが嘘といわれる原因
初動負荷トレーニングでは、非常に軽い負荷を用いて動作の切り返しの瞬間にだけすばやい力を発揮させるもの。切り返しの瞬間以外は、完全に筋肉は脱力します。
初動負荷トレーニングとは、文字どおり初動に負荷をかけるということ。バットを振る動作などと同じように、初動に負荷のピークが来ます。いわゆるマシントレーニングでは、動き出しからから最後まで負荷が一定です。マシントレーニングは筋肉に常に負荷をかけるのが常識。このため、初動負荷トレーニングが色眼鏡で見られがちです。
ウェイトトレーニングばかりやってしまうと、スポーツ動作の中で腕や方に力が入りがち。脱力することが苦手です。初動負荷トレーニングは力んでしまって脱力ができずに、手打ちや手投げをする人に有効といえるでしょう。こうした筋肥大ではなくスムーズな動作を重視する考え方が「初動負荷トレーニングは嘘」のような声が聞こえる原因でしょう。
初動負荷トレーニングは筋肥大しないから嘘?
また、初動負荷トレーニングでは動作の切り返しを関節可動域いっぱいのところで行います。このため、筋肉の柔軟性を高めて、関節可動域を広げる効果も期待できるのです。
ただし、初動負荷トレーニングでは筋肥大の効果はあまり期待できません。扱う重量自体が小さく、しかも筋力を発揮する時間も瞬間的です。筋肥大効果がまったくないわけではありませんが、マシントレーニングと比べると筋肥大効果は極めて小さくなります。筋肥大効果がないことも「初動負荷トレーニングが嘘」といわれる理由でしょう。
初動負荷トレーニングは体のバネ作用を利用して、しなやかに強く動作するための動きをマスターするもの。動きのスキルトレーニングとして非常にすぐれています。とはいえ、動きも体も作れる万能なトレーニング法ではありません。
初動負荷トレーニングの反射的な動作
初動負荷トレーニングはスポーツのパフォーマンスを上げる最新の運動理論です。その基本となる考え方が、重心移動と反射的な動作。たとえば、足を前後に軽く開いて、前足に重心を乗せてください。
ここで上体を前に倒して、前足にかけた重心でいまにも倒れそうなところまで前のめりになります。このまま前のめり体勢を続けると、自然と後ろ足が前に出るはず。続いて、次々と足が前に出るはずです。
このような反射的な動作を重心移動によって、体の自然な切り返し動作を発生させるのが初動負荷トレーニングの考え方。より自然な動きでパフォーマンス向上を実現します。そして、その動きを強化するのが初動負荷トレーニングというわけです。
■「初動負荷トレーニング」おすすめ記事
初動負荷理論は筋トレしながら柔軟性が増す
■「筋肥大」おすすめ記事
筋肥大にタンパク質の摂取が欠かせない理由
筋肥大にマイナスだった朝食抜きダイエット
筋トレ後の有酸素運動は筋肥大を妨げてしまう
超回復の嘘!筋肉痛がなくても筋肥大は望める
筋肥大メカニズム「超回復」に必要な3つの要素