室伏広治の身体能力は速筋エリート一家だから

世界でも有数の一流アスリートである室伏広治さんは、驚くべきパワーを発揮する身体能力で知られています。『筋肉番付』などのテレビ番組で活躍した姿を見た人も多いでしょう。そんな室伏広治さんの家系はまさに速筋エリート一家。身体能力の秘密は家系にあったのです。

身体能力は遺伝的背景に影響される

人間の身体能力は遺伝的背景に大きく影響されます。というのも、筋肉の種類や質は遺伝できまっているからです。

筋肉にはすばやく収縮して大きなパワーを出す速筋と、出せるパワーは小さいものの長時間にわたって動き続けられる遅筋があります。そして、速筋が強いか遅筋が強いかは遺伝的背景で決まってきます。

速筋エリートの家系には速筋エリートが生まれ、遅筋エリートの家系には遅筋エリートが生まれるのです。ある程度までは努力で補えますが、やはり遺伝にはかないません。

身体能力の遺伝的背景を示す実験があります。それは遺伝子を組み換えたマウスとそうでないマウスの3週間後の筋肉量を比較したもの。通常のマウスは筋肉量が変わらなかったのに対して、遺伝子組み換えマウスはトレーニングせずとも30％も筋肉量が増えていました。

さらに、同じ2種類のマウスが同じ期間に筋トレをした場合、通常マウスが10％の筋肉量が増加したのに対し、遺伝子組み換えマウスは50％以上も筋肉量が増加していたというのです。

これはあくまでも遺伝子操作したマウスの実験ですが、同じような現象は身の回りでも見聞きしたことはあるでしょう。身体能力は遺伝的背景に大きく左右されるのです。

そして、典型的な速筋エリートの身体能力を持つ家系こそが、ハンマー投げの室伏家。室伏広治さんはアテネ五輪で金メダルをとった世界でも有数の一流アスリートです。『筋肉番付』などのテレビ番組で、その圧倒的な身体能力の高さを目にしたことがあるでしょう。

じつは室伏広治さんの父親である重信さんも「アジアの鉄人」と呼ばれたハンマー投げの名選手でした。室伏重信さんは1945年に中華民国河北省で生誕。さらに重信さんの父親は柔道家で、母親は陸上競技のハードルの選手。速筋系の父と母のあいだに、広治さんの父・重信さんは生まれたわけです。

そして重信さんの結婚相手、すなわち広治さんの母親は、ルーマニアの槍投げチャンピオンだったセラフィナ・モーリツという女性。室伏広治さんの身体能力は、まさに速筋エリート家系に由来したもの。速筋エリートにならないわけがありません。

そんな速筋エリート家系の身体能力を持つ室伏広治さんのプロフィールを見ておきましょう。1974年生まれで血液型はA型。静岡県沼津市出身です。フルネームは室伏アレクサンダー広治で、ミドルネームは母親の母国ルーマニアに由来します。

幼少時より様々なスポーツを経験しながら、エリート教育を施されて才能を発揮。高校進学後にハンマー投げに取り組みます。当時からほかの選手とは別格の身体能力で、日本高校新記録を樹立しました。

中京大学進学後は、父・重信さんのコーチングを受け、さらにその才能を伸ばしました。おもな実績としては、2004年アテネオリンピック金メダル、2011年世界陸上大邱大会金メダル、2012年ロンドンオリンピック銅メダルなどがあります。

投稿者：deepmuscle

最終更新日：2021/08/17