赤ちゃんの指しゃぶりは妊娠7か月から始まる
赤ちゃんの脳の発達について、記憶力への影響が大きいのが3~4歳、運動能力への影響が大きいのが5歳という研究結果もあります。赤ちゃんの脳の発達は、どのような過程を経ているのでしょう? じつは脳の発達とも深く関わる赤ちゃんの指しゃぶりは、妊娠7か月から始まっているのでした。
赤ちゃんの指しゃぶりが脳を活性化
赤ちゃんは妊娠4週目から、脳の神経細胞がつながり始めて脳が作られます。脳の細胞は分裂しながら、その数を爆発的に増やしていきます。そのスピードはなんと1分間に約25万個。赤ちゃんは母胎の中で脳の細胞を増やし、生まれ来るそのときに備えるのです。
最新の超音波画像では、お腹の中にいる赤ちゃんの様子を克明に見ることができます。妊娠15週目に赤ちゃんはおよそ7cm。胎盤が完成するこのころ、赤ちゃんはたくさんの栄養と酸素を吸収することで成長スピードをアップ。とくに脳は著しい発達を見せます。
そして、7か月になるころには赤ちゃんは指しゃぶりを始めるのです。このほか、あくびなど生まれたあとと同じ表情を見せるようになります。赤ちゃんの指しゃぶりなどのこれらの行為、じつは脳を活性化させるためには大切な行動。手足を動かし顔の筋肉を動かす、そんな細かい動きひとつひとつが脳の発達につながっているのです。
赤ちゃんの指しゃぶりは誕生後も貢献
誕生すると、赤ちゃんの脳はさらに成長。急激な発達を見せることがわかってきました。そして、そこにこそ人間の脳の可能性が隠されています。
ほとんどの動物は、体や脳が完成した形で生まれてくるもの。ところが、人間の場合は生まれてから完全に成長するまでの期間がものすごく長いのです。最初は脳を作る細胞はそんなに多くありませんが、生まれてから爆発的に数が増えていきます。
ここでもやはり、赤ちゃんの指しゃぶりは脳の活性化に貢献するわけです。とくに人間の場合には、大脳新皮質と呼ばれる場所がどんどん大きくないます。ほかの動物たちと比べて大脳を大きく進化させた人間。そのため、生まれたあとも脳細胞の数を爆発的に増やしていく必要があるからです。