ネギのアリシン効果でSARS被害を受けなかった
ネギのアリシン効果で、中国国内にSARSの被害をほとんど受けなかった地域があります。ネギの産地として知られるその地方都市では、大人も子どももネギを生かじりしていたのです。これなら免疫力をアップするアリシンが、すべて口の中で発生。これがSARS被害を受けなかった理由なのでした。
ネギにはウイルスをやっつける力
2003年、新型肺炎と呼ばれるSARS(重症急性呼吸器症候群)のウイルスが世界中に広まりました。高熱と呼吸困難を伴う恐ろしい感染症です。中国南部で発生し、あっという間に全域に拡大。8千人以上が感染し、死者は700人を超えました。
ところが、そんななか中国国内にSARSの被害をほとんど受けなかった地域があるのです。じつはここ、中国で「ネギの里」と呼ばれる場所。首都・北京から南へ500kmの場所にある山東省章丘。人口100万人ほどの地方都市です。
ここは中国で有数のネギの産地。いたるところでネギを見かけます。ただし、日本のネギと比べると、とても長くて大きいもの。この大きいネギが街のシンボルなのです。2千年以上も前からこの大きなネギを作り続けています。
街頭インタビューでネギのことを聞いてみると「餃子にしたりして1日2本は食べる」という人や、「ネギにはウイルスをやっつける力がある」という人、「ネギのおかげで医者いらず」という人がいます。
アリシンがすべて口の中で発生する
本当にネギが健康を守っているか、地元の医師に聞いてみました。すると「SARSが流行したとき、ネギを食べるこの地方は患者がとても少なかった」と振り返ります。「この章丘では患者が1人も出なかった」のです。「ネギが体の抵抗力を上げてくれたからだと考えられる」と話していました。
ネギをどのように生かしているか、地元農家を訪ねてみると、いきなり生でネギを食べていました。「生でも甘くておいしい」と話します。大人も子どもも生のネギが大好きです。
たしかに、ネギを生かじりすれば、香り成分であるアリシンはすべて口の中で発生します。これなら香りを逃すことなく取り込むことが可能。アリシンは加熱すると生まれてこないので、生かじりは血流と抵抗力をアップさせるのに最高です。
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