いま過度の飲酒が原因でない肝臓病が増えている
肝臓は本当に我慢強い臓器で不平不満を言いません。異常が出たときは、すでに肝臓の80%がやられているとわれています。70%くらいまではまったく異常値が出ないもの。異常が出たときはかなり危険な状態なのです。そしていま、いま過度の飲酒が原因でない肝臓病が増えているといいます。
γ-GDPが正常なのに肝臓病も多い
γ-GDPは肝臓でおもに作られて、肝臓と胆のうで働く酵素。お酒を飲みすぎると、この数字がどんどん上がっていきます。とはいえ、お酒を飲むとこの酵素が増えるわけではありません。
お酒を飲んで肝臓がダメージを受けて壊れると、肝臓からこの酵素が漏れてきて血液中で増えるのです。このため、γ-GDPの数値が高いということは、それだけ肝臓に負担がかかっていることを意味します。
じつは基準値は施設によって差があって、最近では男女とも50くらいが基準値です。γ-GDPは非常に有用で、いろいろな検査能力の高い検査ではありますが、残念ながらγ-GDPが正常なのに肝臓病の人も多くいます。
お酒も飲まないのに肝臓病になる
そしていま、とくにお酒も飲まず、γ-GDPも正常値なのに肝臓病になる人がいることが話題。しかも、そのリスクは女性のほうが多いというのです。その病気は「NASH(ナッシュ)」。非アルコール性脂肪性肝炎といいます。
肝炎は炎症によって細胞が破壊され、肝臓の機能が低下してしまう病気。しかし、NASHは人によってだるさや食欲不振などがおきますが、自覚症状がほとんどない場合が多いのです。
このため、初期の段階では見逃されやすく、健康診断で見つかったときにはかなり進行しているケースもあります。そして、NASHは5~10年で5~20%が肝硬変を発症、さらに5年後には最大15%が肝臓がんになるのです。
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