自律神経の乱れが血管の老化を引き起こす理由
自律神経の乱れが引き起こすさまざまな不調の中で、医学界でいま注目されているのが血管の老化です。しかし、なぜ自律神経の乱れが血管の老化を引き起こすのでしょうか? 自律神経の乱れがある人に特徴的なのが、食事中と就寝中の血圧。ここに血管の老化を引き起こす原因があるのでした。
自律神経の乱れがある人の血圧変化
じつは最近の研究で、自律神経の動きが血圧の異常にも関係していることが判明しています。自律神経の乱れがある人の1日の血圧の変化を調べてみると、特徴的な2つの血圧の異常が見られるのです。
1つめは食事中の血圧。自律神経が正常であれば、食事開始と同時に血圧はゆるやかに上昇を開始。10分後にピークを迎えます。そして、このあとは血圧は下がりはじめ、10分後には食事前の血圧に戻るものです。
この血圧の変化を自律神経の働きで見てみると、食事開始とともに交感神経が上昇するとともに血圧も上昇。しかし、交感神経の高ぶりを抑えるために副交感神経が上昇を始めると、血圧も下降をはじめます。
自律神経の乱れで血管がダメージ
しかし、自律神経の乱れがある人の場合、食事開始とともに上昇した血圧はその後も下がる気配もなく、ずっと高止まりを続けたまま。自律神経のメリハリがないのと同様に、血圧も高い状態が続いてしまうのです。
2つめは就寝中の血圧。起きているときに昼間の血圧と、寝ているときに血圧の差に問題があります。自律神経が正常な場合、就寝すると血圧が急降下。そのまま目覚めるまで、血圧は低い状態をキープするのが通常です。一方、自律神経の乱れがある人の場合、就寝とともに血圧はいったん下降してもすぐ上昇してしまいます。
自律神経の乱れによって、血圧が下がるはずの就寝中や食後も交感神経が上昇。血圧が高くなって、血管が終始ダメージを受け続けて、次第に硬くなる動脈硬化をおこしていると考えられるのです。
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