気象病は内耳の気圧センサーが敏感な人におこる
気象病で天気が悪いと痛む場所を街頭でアンケートしたところ、腕や足、腰や首、頭痛までさまざま。気象病で痛む場所は人によってバラバラなのです。こうした気象病の犯人は耳。天気を感じる部分は耳の鼓膜の内側のさらに奥、内耳という部分です。気象病のメカニズムを紹介します。
気象病の原因は交感神経の興奮
人間の内耳はリンパ液で満たされています。私たちが体を傾けたり回ったりすると、リンパ液に流れが発生。その流れを感知することで、脳は体が回っていたりすることを感じるのです。
ここで低気圧が近づくと、内耳にある気圧センサー細胞が興奮。するとリンパ液に波が発生するのです。自分が体を動かしてもいないのに、動いたり傾いたりしたかの情報が脳へ送られます。
すると、目から入ってくる情報とリンパ液が伝える情報に食い違いが発生。脳は大混乱をきたし、それが大きなストレスとなります。そして、脳はストレスを感じると交感神経が興奮。ここに気象病の原因があるのです。
気象病の人は気圧センサーが敏感
全身に張り巡らされた交感神経は、末梢にある古傷や持病のある部分の痛覚神経とつながっています。交感神経が興奮するとつられて痛覚神経も興奮。治ったはずの古傷が痛み出したり、持病の痛みが悪化したりするのです。
とはいえ、内耳にある気圧センサーの細胞自体は誰もが持っているもの。しかし、その敏感さは人によって違います。気象病の人は気圧センサーが敏感なのです。
気圧センサーに刺激が与えられたとき、気象病のある人と正常な人とでどれほど違いがあるかを実験してみました。その結果、気象病の人は正常な人のわずか3分の1の刺激で反応することが判明。しかも、不快感は3倍も持続するのです。
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