虫歯の痛みは大人になると感じにくくなる理由
虫歯といえば痛みがあるというのが常識です。虫歯の痛みで悩んでいたのは昔の人も同じ。なんとか痛みを紛らわせようと神仏に盛んにお祈りしていました。「歯神社」などは、その名残りといえるでしょう。しかし、大人になると虫歯の痛みを感じにくくなるのをご存じですか?
虫歯の痛みは大人は感じにくい
虫歯の痛みは大人になると感じにくくなります。そこには、子どもの虫歯と大人の虫歯の違いがあります。そもそも歯本体と呼べるのは象牙質。強くて丈夫なエナメル質が虫歯菌から象牙質を守っています。
ここで子どもの歯は未発達のため、エナメル質がまだ十分に硬くなっていません。このため、エナメル質から象牙質に虫歯菌が侵入。痛い虫歯になるわけです。
一方、大人の場合は歳をとるにつれてエナメル質にミネラルなどが蓄えられて、強くて丈夫になっていきます。基本的には、大人になると虫歯にならなくなるのです。
虫歯の痛みが出るころは手遅れ
しかし、大人の歯には弱点があります。それが歯茎が下がってくる現象。歯茎が下がるとエナメル質に覆われていない象牙質が露出してしまいます。また、治療した歯の詰め物と歯との間の凸凹も虫歯になりやすいポイントです。
それでは、なぜ大人は虫歯の痛みを感じにくいのでしょうか? 子どもの虫歯も大人の虫歯もミュータンス菌が原因です。虫歯菌には違いはありません。じつは大人の歯は、虫歯菌が象牙質に到達すると、それと連動するように象牙質が厚みを増す仕組みになっています。
虫歯菌によって象牙質が侵食されると、虫歯菌が神経に達しないように内側に象牙質が増えていくのです。こうして、気づかないうちに虫歯はどんどん進行。象牙質に虫歯菌が到達して虫歯の痛みが出るころには、すでに手遅れとなっているケースがよくあるのでした。
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