尿路結石の予防のカギ「オステオポンチン」とは
尿路結石の予防のカギとなるのが「オステオポンチン」です。オステオポンチンは腎臓内に侵入した猛毒であるシュウ酸が細胞を破壊すると出てくる物質。このオステオポンチンが尿路結石を硬く溶けにくくさせています。すなわち尿結石の予防は、オステオポンチンの発生を抑えることです。
尿路結石を固めるオステオポンチン
いま主流の尿路結石の治療法は、衝撃波で体内の石を砕いて尿で流せるまで細かくするというもの。しかし、この治療法は石のかけらが体内の残るため、再発する可能性もあります。
そこで、考えられたのが石を溶かすというまったく新しい発想でした。尿路結石の元になるシュウ酸カルシウムの結晶は溶かすことができます。しかし、その塊である結石はどんな方法を試しても、ほとんど溶けません。その方法さえわかれば、尿路結石を苦しむ多くの人を救うことができるはずです。
そこで、尿路結石に含まれる成分を徹底分析。すると、ある物質が結晶を強く結びつけ、硬く溶けにくくさせていることを突き止めたのです。それは結石にほんの数パーセントしか含まれていないため、誰も見向きもしてこなかった物質でした。
その物質が「オステオポンチン」です。腎臓の中を詳しく見てみましょう。そもそもシュウ酸は、体にとっては猛毒。細胞に付着すると酸化させ、炎症を引き起こして死なせてしまいます。
尿路結石の予防に抗酸化物質が有効
そして、シュウ酸カルシウムが腎臓内に発生して、壊れた細胞から出るのがオステオポンチンです。オステオポンチンはシュウ酸を固めて無毒化すると考えられています。大きくならないうちに、尿として流してしまえば問題ありません。
ところが、シュウ酸カルシウムが増えすぎた場合、オステオポンチンも大量に出現。結晶をどんどん固めるために、石もどんどん大きくなります。その結果、尿管に入ると激痛を引き起こすような危険なサイズとなった結晶を作ってしまうのです。
このため、尿路結石の予防としては抗酸化作用が高い食品を食べること。抗酸化作用が高い食品には、お茶や青魚、大豆、ブルーベリーやバナナなどの果物、カボチャやニンジンなどの野菜類がよいとされています。
シュウ酸が来て細胞が壊れて発生するのがオステオポンチンです。シュウ酸が来たときに細胞が壊れないようにすれば、おのずとオステオポンチンの発生が抑えられます。このため、尿路結石の予防に有効なのが抗酸化物質なのです。
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