先天性耳瘻孔は耳の前方に現れるのが特徴がある
先天性耳瘻孔とは、生まれたときから耳の脇に小さな穴がある病気。先天性耳瘻孔の穴は自然に閉じることはありません。穴からはときどき、臭いのある汁が出ます。子どもの成長に伴って臭いや感染が落ち着いていくこともあります。先天性耳瘻孔の手術は手術で治すことも可能です。
先天性耳瘻孔は女性に多い
先天性耳瘻孔は、本来は残らないはずの管のような穴が埋まらないことでできるもの。人によって形や深さは違い、枝分かれしていることもあります。多くの先天性耳瘻孔は耳の前方に現れるのが特徴です。
先天性耳瘻孔は女性に多いという特徴もあります。左右どちらにも同じ割合でできます。100人に2~3人といわれ、頻度の高い病気です。両親のどちらかに先天性耳瘻孔がある場合には、子どもにも出やすいという調査もあります。
先天性耳瘻孔の症状には、汗やあかなどの分泌物がたまり、臭いのある泥状の液体になって外に出てくることがあります。感染をおこして赤く腫れたり痛かったりするときは、抗生物質を服用して対処するのが一般的。ひどい場合は切開して溜まった膿みを出すこともあります。
先天性耳瘻孔の手術とは
先天性耳瘻孔が抗生物質で治ったあとも感染を繰り返して、何度も腫れたり、膿みが出たりしている場合に検討されるのが、手術という選択肢です。
手術は、耳瘻孔の穴を囲むように皮膚に長さ5~10mmの切れ目を入れ、奥に進んで穴の組織を取り除きます。小学生くらいまでは全身麻酔で手術をして、3~4日間ほどの入院が必要。大人になってからは局所麻酔で外来手術が可能になります。手術は30分程度で終わるので入院は不要です。
ただし、ときどき膿が出てくるのを許容していれば、先天性耳瘻孔をとくに手術することなく生活している人は多いもの。感染がおきないように先天性耳瘻孔の周囲を清潔にするように心がけましょう。
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