中性脂肪が基準値でも異常を見つける血液検査
健康診断で中性脂肪が基準値とされると多くの人は安心します。しかし、健康診断では判明しないタイプの血管を老化させる病気を持っている人がいます。これまで中性脂肪やコレステロールをはじめ、血糖や血圧などの数値が基準値内であれば、動脈硬化は進んでいないと考えるのが常識でした。
中性脂肪が基準値でも動脈硬化
しかし、中性脂肪の基準値など通常の健康診断では発見できない異常を持つ人がかなりの数いることが判明。気づかないうちに動脈硬化が進んでしまっているケースがあるのです。その異常を見つけるのが2回の血液検査になります。
1回目は通常の健康診断と同様、前日の夜9時から何も食べずに過ごして当日の朝に血液を採取。その後、揚げ物たっぷりの食事をしてもらったあとに2回目の血液を採取するのです。
そして、1回目と2回目で血液の状態がどう変化するのかを調べます。採った血液は遠心分離機にかけられて高速回転。下から赤・白・透明の3層に分離されます。下の赤い部分に含まれているのは赤血球や白血球、血小板など結球成分です。
中性脂肪が基準値でも食後に異常
真ん中にある白い層は、上と下をきれいに分けるための分離剤で血液ではありません。上の部分には黄色みがかった部分は血清と呼ばれる成分。ここにコレステロールや中性脂肪、血糖といった成分が含まれています。
血液検査で調べるのは血清部分。動脈硬化にかかわる成分を含んでいるからです。健康な人であればきれいに透き通っていますが、異常がある場合は白く濁っています。そして、白く濁って見える正体こそ中性脂肪です。
中性脂肪が基準値以内であれば、きれいに溶けているため透き通っているもの。基準値を超えて増えてしまうと、溶け込んでいた中性脂肪があふれて白く濁ります。中性脂肪が基準値でも、ここで異常が見つかる人がいるというわけ。こうして知らず知らずのうちに、動脈硬化が進んでいるのです。
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