持久力アップは「肺・心臓・血管」の機能を強化
いわゆる持久力とは、マラソンのように長時間、筋肉を動かし続けるときに必要になる全身持久力のこと。400m走などで必要となる筋持久力とはちょっと違います。筋持久力は筋肉を鍛えることでアップすることができますが、持久力をアップするには筋肉を鍛えるだけでは不十分なのです。
持久力はおもに遅筋を使った運動
筋肉には大きな力を瞬発的に出す速筋と、小さな力を持久的に出す遅筋があります。全身持久力はおもに遅筋を使った運動になりますが、問題となるのは遅筋そのものと、遅筋へ酸素と栄養素を運ぶ「肺・心臓・血管」の機能です。
筋持久力と全身持久力の違いは、心臓の構造に端的に現れます。400m走のランナーとマラソンランナーの心臓を調べると、どちらも一般人よりもはるかに大きいといいます。
これは心臓を動かす筋肉である心筋がとても厚くなっているため。筋力は筋肉の容量に正比例するので、厚い心筋はそれだけ強い力で心臓を収縮させられます。そのぶん、血液を強く押し出すことができるのです。
持久力の源は全身に血液を送ること
ただし、400m走のランナーとマラソンランナーの心臓では、左心室の大きさに違いがあります。左心室は心臓から血液を体に送り出す最後のスペース。大きい左心室は体に送り出す血液の量が多くなるのです。
筋持久力をアップすると心筋は厚くなりますが、左心室の大きさはそれほど変化しません。ところが、全身持久力がアップすると、左心室が大きくなります。全身持久力の源は、全身に血液を多く送ることにあるからです。
速筋を動かす筋グリコーゲンは単独でエネルギーとして使われます。一方の遅筋は脂肪をおもなエネルギー源とし、さらに血液によって供給される酸素が必要です。このため「肺・心臓・血管」の機能強化が持久力アップにつながるのです。
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