超回復が嘘なのは前提が間違っているから
いわゆる超回復理論とは、筋肉トレーニングは48~72時間の間隔を空けたほうがよいというもの。そして超回復が嘘といわれるのはこの48~72時間が間違っているという指摘です。とはいえ筋力がアップする超回復は誰もが実感できる真実。問題は正しい筋肉トレーニングの間隔です。
目次
超回復には運動と栄養と休息が必要
いまある筋肉はそのまま強くすることはできません。筋肉の組織を一度壊して、生理的コンディションを悪くしたうえで、超回復によってより強く再生させるのです。
とはいえ、激しいトレーニングを続けていけば、筋肉細胞はどんどん壊れていきます。ただ闇雲に体に負荷をかける運動を続けると、体のパフォーマンスは下がる一方。トレーニングのあとに体を超回復させなければなりません。
超回復を実現させるために必要なのは、運動と栄養と休息です。運動によって体に負荷をかけて、そのあとに体に栄養と休養を与えることで、体に超回復が訪れます。そうして初めて、体のパフォーマンスが向上するのです。
超回復の嘘はトレーニング間隔
超回復は一種のリバウンド現象。そして人間は、リバウンドするまでに一定の時間が必要です。そして筋肉トレーニングでは、24時間あけないと十分なリバウンドができないと考えられます。
つまり、24時間たたないうちに同じ筋肉を使ったトレーニングを行えば、体が回復する前に負荷を与えるということ。これを繰り返せば、いずれはオーバーワークとなってしまいます。
ウェイトトレーニングでは、1日目は腕や肩などの筋肉を鍛え、2日目は背中やお腹の筋肉、3日目に足腰の筋肉を鍛えるというように、鍛える部分をローテーションさせる方法がよく用いられます。それぞれの筋肉を超回復させながら、毎日トレーニングを重ねていく好例です。
このように超回復が嘘というのは、筋肉トレーニングには48~72時間の間隔が必要…という部分。この前提が間違っているからです。正しくは24時間の間隔をあけることで、効率的に超回復させることができます。
超回復に完全な休息が必要…は嘘
なお「超回復には完全な休息が必要」というのも嘘です。運動生理学では、筋肉疲労を取り去るには完全な休息より、軽く体を動かしたほうがよい…ということがわかっています。
なぜなら、筋肉疲労の回復には血液の循環が重要。血液の循環がよくなれば、筋肉の損傷部分に酸素が送り込まれて修復が促進されます。また、筋肉中にたまっている乳酸なども早く取り除くことも可能です。
そのためには、ウォーキングや軽いジョギングを1時間ほどゆっくり行うのがオススメ。酸素を取り込みながら全身の筋肉を動かすため、血液の循環がよくなるからです。
筋肉痛が出るように追い込むのも嘘
超回復のために翌日に筋肉痛が出るように追い込みがち。超回復に筋肉痛が必要なのは嘘です。がんばりすぎると想定外のダメージが蓄積する恐れもあります。
なぜ筋肉痛が生じるかは、そのメカニズムが非常に複雑でよくわかっていないのが現状。とはいえ、痛みは体のSOSであることは事実。筋肉痛が出ているということは、靭帯や軟骨など周囲の組織にもダメージが加わっています。
筋肉は超回復が早いのですが、靭帯や軟骨は新陳代謝がそれほど活発ではないため、一度痛めるとなかなか回復しません。年齢とともに靭帯や軟骨の損傷は回復しにくくなるので注意が必要です。
超回復には風呂ではなくシャワー
超回復には血液の循環が重要です。というのも運動中、血液は筋肉部分に多く流れています。100m走の直後は、大殿筋や大腿四頭筋、下腿三頭筋に全身の血液の7割が集中。胃や腸や肝臓などの内臓には最低限の血液しか流れていません。
このため、超回復のためには運動後に筋肉に集まった血液を全身に戻す必要があります。野球やサッカーの試合のあとに選手がジョギングするのは血液を全身に戻している行為。軽く走った後はストレッチで身体をほぐします。最近では、試合後にマッサージをする選手が増えてきました。
なお、運動後に風呂に入る人も多いですが、超回復には有効ではありません。風呂に入ると、せっかくのエネルギーが発汗などに使われてしまいます。このため、超回復のためにも運動後は血行を促してくれるシャワーにするのが正解です。
そもそも「超回復理論」とは何なのか?
こうした「超回復理論」のわかりやすい例が骨折です。骨が一度折れた部分は元の骨より太く、強くなるのはよく知られています。ただし、骨折したときには休息が必要なように、筋肉でおきる超回復にも休息が必要です。だいたい筋肉痛が消える中1~2日くらいが超回復で必要な休息の目安になります。
超回復理論を意識的に利用するのが筋トレです。トレーニングをすると、自覚がないくらいの微細損傷が筋肉の組織レベルでおきています。その損傷度合いが高いのが筋肉痛。筋線維が損傷しているのですから、炎症で痛みが出るのも当然です。
そして、損傷を受けた筋線維を修復しようとおきるのが超回復というわけ。同じ強さに回復したのでは、同じ運動や作業でまた損傷してしまいます。このため、筋肉痛が強いほど超回復も大きくなるわけです。
ただし、超回復理論で忘れてはならない要素が「運動・栄養・休息」の三要素。運動によって体に負荷をかけて、そのあとに体に栄養と休養を与えることで、体に超回復という現象がおきるのです。
超回復理論が嘘になるケースがある?
このため、筋肉の損傷が続いて疲労が大きくなりすぎるとリバウンド自体がおきません。休息なく激しい筋トレを続けていると、筋線維はどんどん壊れてしまいます。筋肉痛ばかりが続いてパフォーマンスは下がる一方…これが超回復理論が嘘になるケースです。
超回復理論は一種のリバウンド現象のことですが、人間の体はリバウンドするまでに一定の時間が必要になります。一般的に超回復理論を嘘にしないために必要な時間は48~72時間。筋トレには中1~2日のインターバルが必要ということです。
中1~2日といえば、ちょうど筋肉痛が消えるタイミング。普通の筋肉痛であれば翌日いっぱいなので48時間、重い筋肉痛なら翌々日までなので72時間くらい引きずります。筋肉痛が消えるまでが超回復理論で必要な休息の目安なのです。
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