ぽっこりお腹の原因「内臓下垂」を解消する筋トレ
ぽっこりお腹は単純な腹筋運動だけでは解消されません。加齢による内臓の内側にある筋肉の衰えによる「内臓下垂」もしくは「腸下垂」が根本的な原因です。それを解消する一番の方法は「インナーマッスル腹筋」を鍛えること。ここではぽっこりお腹の原因を元から絶つ、有名アスリートも行っている筋力トレーニングを紹介します。
目次
内臓下垂や腸下垂の簡単チェック法
ぽっこりお腹の原因は「内臓下垂」もしくは「腸下垂」といわれる現象。腸や内臓を支えているインナーマッスル腹筋が衰えて、本来あるべき位置から下に下がっている状態です。インナーマッスル腹筋は、運動不足や過激なダイエットによって筋力が下がってしまいます。
内臓下垂や腸下垂の簡単なチェック方法を紹介しましょう。それは、お尻に手を添えて立ち、そのままの姿勢でかかとを床から離さずにしゃがめるか…というものです。内臓下垂や腸下垂の場合、下がった内臓が上半身と下半身のつっかえ棒になってしまって、うまく座ることができません。
この内臓下垂や腸下垂が原因のぽっこりお腹の解消には、インナーマッスル腹筋の筋力アップが必須です。ただやみくもにジョギングしたり腹筋運動したりしても、ほとんど効果がないといえるでしょう。さっそく、ぽっこりお腹を解消する筋トレの方法を見ていきましょう。
ぽっこりお腹を解消する筋トレとは
スキージャンプの葛西紀明選手は度重なる怪我を乗り越えて、ソチオリンピックでついに銀メダルを獲得しました。その栄光の影には「インナーマッスル」のトレーニングがあったことはご存じですか?
怪我を克服するために葛西選手が取り組んでいたのが、体幹を強くする筋トレでした。40代という年齢から怪我を予防するために始めたところ、体幹が鍛えられて体の軸が安定するようになったといいます。
その葛西選手の専属トレーナーが伝授する、たった1分で鍛えられる「ぽっこりお腹を解消する筋トレ」を紹介しましょう。
ぽっこりお腹の原因の内臓下垂を解消
たった1分もあればできるトレーニングのまずは基本姿勢です。仰向けになってひざを立て、床に足の裏がつくようにします。この姿勢で、へその1センチ下を1センチ凹ますように軽く力を入れてください。
この状態をまま、上半身をゆっくり起こしてへそを見るようにして、その体勢をキープします。3秒ほど停止したら、上半身をゆっくり下ろしましょう。これを5回繰り返します。朝と夜に1セットずつ行ってください。
一般的な腹筋運動をした場合、鍛えられるのは「腹直筋」などの体の表面近くにある筋肉です。ぽっこりお腹の原因となっている内臓下垂を解消するための筋肉は腹横筋。お腹や腰の奥にあるため十分に鍛えることができません。そこで、へその1センチ下をへこませながら行うことで、ぽっこりお腹の原因部分が鍛えられるというわけです。
インナーマッスル腹筋の効果さまざま
インナーマッスル腹筋の効果はぽっこりお腹の原因である内臓下垂や腸下垂の解消だけにとどまりません。多くの人の悩みである腰の痛みを、予防・改善する効果も期待できます。
また、インナーマッスルのトレーニングは、葛西選手のように体幹が安定することによる運動能力も向上に寄与します。内臓が正しい位置にしっかり固定されることで、内臓群の揺れで生じるエネルギーロスを最小限に抑制。あらゆる場面で動きが機敏になるのです。
さらに、腸は血管とリンパがびっしりと張り巡らされている器官です。内臓下垂や腸下垂が解消すると、腸の働きがよくなって血液が巡り体温をアップさせます。体温が上がると、胃腸の動きが活発になり消化のスピードもアップ。便秘の解消も期待できるのです。
ぽっこりお腹になる3ステップとは?
なお、ぽっこりお腹は一夜にしてできるものではありません。お腹にお肉がついていく課程にはじつは3ステップあります。
ステップ1は「へそまわり」です。おへそのまわりに「むくみ」が現れます。これは脂の多い食事で消化不良をおこしたり、ストレスから便秘や下痢になることで、血流や水分代謝が悪くなっていることによる腸の炎症が原因です。
ステップ2が「下腹部」。おへそまわりを超えて、下腹部全体がふっくらしてきます。この原因は頑固な便秘。甘いものやインスタント食品が腸の中の悪玉菌を増やして、腸内環境が悪化が引き起こす現象です。
ステップ3では、ぽっこりは「お腹全体」になります。みぞおちのあたりから恥骨の上までお腹全体がぽっこりという状態です。その原因は胃腸の働きが衰えたこと。内臓下垂によって腸のぜんどう運動が弱まったり胃の消化力が低下したりして、それが重度の便秘やむくみにつながっているのです。
ぽっこりお腹3ステップの解消法
ぽっこりお腹の3ステップごとに、その解消法も変わってきます。「へそまわり」のぽっこりお腹には、リンパマッサージが有効です。滞った血流や水分代謝によるむくみをとってくれます。リラックス効果で腸のぜんどう運動が活性化して、便秘解消効果も期待できるでしょう。
「下腹部」のぽっこりお腹には、腸腰筋への刺激がポイント。インナーマッスルを鍛えることで腸を刺激して、便秘の解消を目指しましょう。ヨーグルトなどの善玉菌を増やす食事も有効です。
「お腹全体」のぽっこりお腹には、よい姿勢をとることが大切。たるんだ胃や腸を元の位置に引き上げるには、背筋を伸ばすよい姿勢が有効です。姿勢が悪いと内臓が圧迫されて正しく機能しません。よい姿勢で胃腸の機能をアップすれば、美しいお腹を手に入れることができるでしょう。
ぽっこりお腹の解消で運動能力も向上
お腹まわりを中心としたインナーマッスルで、上部の横隔膜と下部の骨盤底筋、前面側の腹横筋と背中側の多裂筋で囲まれた部分は「コア」と呼ばれます。内臓を保護するとともに、内臓のぜんどう運動を助ける働きがインナーユニットの役割です。
ぽっこりお腹の解消のための筋トレをすると、結果的にコアが鍛えられます。すると、コアのインナーマッスルが連動して働くようになり、日常の動作やスポーツの動きのアップするのです。
というのも、コアを鍛えると体幹といわれる体の軸が安定して、腹圧もキープされます。あらゆる動きの中心となる部分なので、ぽっこりお腹の解消で運動能力が向上するというわけです。
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