耳鳴りのキーンという音の正体は脳の電気信号
耳鳴りのキーンという音の正体は、じつは脳の電気信号音が増幅されたものです。耳鳴りは高音の聴力が加齢などによって落ちることに原因があります。すると脳に高音の信号がこないため感度をアップ。脳の中で飛び交う電気信号のノイズを拾ってしまってキーンという音になるのでした。
耳鳴りのキーンという音を体験する
ふだん耳鳴りに悩んでいない人に対して、キーンという耳鳴りを体験してもらう方法があります。実験に協力してもらったのは20~60代の男女。いずれも一度も耳鳴りを経験したことがない人たちです。
その結果、10人中8人がキーンという耳鳴りを初体験したという結果となりました。案内した場所は、壁が音を吸収して周囲を無音状態にできる無響室です。すなわち、無音だと耳鳴りがするのでした。
なぜ無音状態だとキーンという耳鳴りが発生するのでしょうか? 私たちの耳は音を振動として捉えて、耳の中の蝸牛という場所で電気信号に変えて脳に送ります。この電気信号が脳の中で、高音・中音・低音と音の高さごとに感知される仕組みです。
耳鳴りのキーン音は脳が作り出す
ここで、蝸牛の老化によってよくおこるのが高音部の聴力低下。高音の電気信号がなくなると、脳は電気信号を受け取る感度を上げます。
ここで脳の中はさまざまな電気信号が飛び交った状態。電気信号の感度を上げた状態でこれらのノイズを感知すると、耳から伝わった音でもないのに頭の中でキーンという高音が鳴り響くわけです。
とはいえ通常は、いったん感度を上げても、電気信号がないことがわかると感度を下げるもの。これで感度を下げない事態がおこると、耳鳴りでキーンという音に常に悩むことになるわけです。
耳鳴りのキーンという音は脳が作り出したもの。そして、聴力の低下によって、耳鳴りは誰にでもおこりうる現象なのでした。
■「耳」おすすめ記事
難聴の原因は滲出性(しんしゅつせい)中耳炎
しゃっくりを止める方法「指を耳に30秒入れる」
気象病は内耳の気圧センサーが敏感な人におこる
耳かきのおすすめ頻度は1か月に1回程度だった
先天性耳瘻孔は耳の前方に現れるのが特徴がある