井上康生の内股を継ぐ金メダル候補が羽賀龍之介
2016年6月に行われた日本柔道の強化合宿。日本代表を率いるのは井上康生監督。男子柔道が金メダルゼロに終わったロンドン五輪のあと、日本柔道の復活を託されました。そして、井上監督がもっともテコ入れを図ってきたのが、羽賀龍之介選手が代表を務める100㎏級です。
井上康生が100kg級の悲願を託す
16年前、シドニー五輪で100㎏級を制したのは、当時22歳の大学生だった井上康生監督でした。豪快な内股で優勝。しかし、その後3大会連続で、日本は100㎏級の金メダルを逃しています。
井上監督も「数々の先人たちが築き上げた栄光ある歴史を取り戻すためには、何かを仕掛けていかなければいけない」と話します。伝統ある100㎏級の悲願を託される羽賀選手は2015年、破竹の快進撃で世界ランキングを一気に駆け上がりました。
世界選手権を含む4つの国際大会で優勝。31位だった世界ランキングは3位まで急上昇しました。日本柔道復活の兆しを印象付けたのは、12月の国際大会。世界ランキング1位・アゼルバイジャンのガシモフとの対戦です。
井上康生が中学校から注目の逸材
決めたのは得意の内股。相手の股下に飛び込み、大きく跳ね上げます。かつて井上康生監督が世界を制した伝家の宝刀です。羽賀選手本人も「内股に関しては自信がある」と話します。
「すごい練習もしてきたし、内股の技を覚えるためにいろいろな試練を教わってきた」とのこと。「自分でもたくさんか考えてきたので、やっぱり自信がある」と話しています。
実際、羽賀選手は現役時代から井上監督が注目していた逸材。羽賀選手が中学校のときに練習をやった井上監督は「このタマは違うな」と思ったといいます。そんな井上康生の内股を引き継いで、羽賀選手はリオで金メダルを目指します。
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