プライオメトリクスは切り返し動作に主眼を置く
プライオメトリクスとはスポーツ動作のためのスキルトレーニングです。スポーツ動作は速い速度で行うので、筋肉の収縮速度をアップさせることに主眼を置きがち。しかし実際は、反動の切り返し動作を意識したほうが重要。切り返し動作に主眼を置くトレーニングがプライオメトリクスです。
プライオメトリクスはデプスジャンプ
プライオメトリクスという言葉の語源は「増大」「増加」という意味のギリシャ語にあります。トレーニング用語としてのプライオメトリクスの意味としては、筋肉の長さをさらに引き伸ばすことによって発揮する力を増大させる動作です。
トレーニングでのプライオメトリクスは、伸長させる力を加えて筋肉をいったん引き伸ばしておいてから、次の瞬間に急速な収縮をさせることで爆発的なパワーを出させることを狙ったもの。代表例にデプスジャンプがあります。
デプスジャンプは、台の上から飛び降りて着地することによる大きな下向きの力を、筋肉を伸張・収縮させる反動動作によって、上向きの力に切り替えして飛び上がるもの。通常のジャンプよりも高く飛び上がることができます。
プライオメトリクスは初心者に不向き
プライオメトリクスのトレーニングでは、瞬間的に非常に大きな力がかかるもの。このため、筋肉や腱。関節を痛めやすいという危険性があります。プライオメトリクスは強度とボリュームともに慎重に設定しなければなりません。
このようにリスクを伴うトレーニング方法のため、プライオメトリクスはトレーニング初心者は行いません。大きな刺激に耐えうる基礎的な筋力がついてから行うことがセオリーです。
また、実際にプライオメトリクスのトレーニングを行うときも、いきなり大きな負荷を与えるのではなく、軽い負荷から少しずつ上げていきます。デプスジャンプなら最初は20センチ程度の低い台から始めて、徐々に高さを上げるのです。
プライオメトリクスの代表的メニュー
プライメトリクスの2つの代表的なトレーニングメニューを紹介しましょう。1つは「スクワットジャンプ」です。しゃがみ込んだら大きくジャンプ。着地の勢いを使って連続して反復を繰り返します。
もう1つのプライオメトリクスのメニューが「プッシュアップジャンプ」。腕立て伏せをしながら、両腕を伸ばすタイミングで手で地面を押して、上体をジャンプさせるメニューです。
いずれのプライオメトリクスのメニューも全力で10回が目安。単純な切り返しだけでなく、上体のあおりなど全身の反動を使って動作します。着地して1回止まってしまわないよう注意しましょう。
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