効率のいい筋トレは「2秒で収縮して4秒で戻る」
よく腕立て伏せや腹筋の回数を競うシーンで、高速で筋トレをする姿を目にすることがあります。高速で筋トレしたほうが効果があると考えている人も少なくありません。しかし、実際は逆効果。効率のいい筋トレは「2秒で収縮して4秒で戻る」ように、ゆっくり行うのがセオリーです。
目次
効率のいい筋トレは主導筋だけを使う
効率のいい筋トレは抵抗を受けながら、ある程度ゆっくり動かないと筋肉には効きません。ゆっくり動かさなければならない理由は2つあります。
1つめの理由は、ウェイトを速く持ち上げようとするほど、フォームが崩れてしまからです。たとえば腕立て伏せは「胸・肩・二の腕」の筋肉を使って腕を曲げ伸ばしする筋トレ。これを高速で行うとフォームが崩れてしまい、腰や脚などほかの筋肉も使ってしまいます。
結果的に、目的とする主導筋にかかる負荷が減ってしまうため、筋トレが効きにくくなるのです。もっといえば、速度を抑えて筋トレしたほうが、鍛えたい主導筋だけを使いやすくなります。すなわち、ゆっくり動かしたほうが効率がよい筋トレができるのです。
効率のいい筋トレは動作全般で疲労
2つめの理由は、筋トレを速く行うと勢いが生じてしまうからです。最初に強い力で勢いよく重りを押すと、あとは重りに対して抵抗することなく筋肉が縮むだけになってしまいます。
筋肉を強くするためには、抵抗に対して力を発揮して疲労させることが必要です。動作の始めに一瞬だけ力を出すという筋トレのやり方は、筋肉が疲労せずに非効率。動作全般にわたって筋肉が力を出して疲労することで、効率的な筋肉の肥大や筋力アップはおこります。
効率のいい筋トレは、2秒で持ち上げて4秒で下ろす…といったように、筋肉が2秒で収縮して4秒で戻るのがセオリー。ただし、重りの移動距離が短い場合は、1秒で収縮して2秒で戻るのがよいでしょう。
効率のいい筋トレの回数とは?
効率のいい筋トレの回数はどうでしょう? 筋トレでは、最大に反復できる重さを「1RM」といいます。日本語で最大反復可能重量です。そして、筋肉を鍛えるには1RMの80%の重量を最大10回反復することがもっとも効率的です。
というのも、筋肉には力が強くて持続力がない速筋と、力が弱くて持続力のある遅筋が混じっています。そして、速筋は遅筋と比べて筋肥大しやすい筋肉なのです。
1RMの80%の重さで筋トレする場合、おもに働くのは速筋。これを1RMの80%未満で筋トレして反復回数が増えると、鍛えられるのは遅筋になります。このため、効率的のいい筋トレは最大10回以下なのです。
効率のいい筋トレは3セット行う
効率のいい筋トレは、最大10回できる負荷を「3セット」行うのが基本です。というのも、私たちが100%の筋力を出していると思っても、じつは筋肉は本来の30%程度しか発揮していません。肉離れをおこしたり腱が切れたりするのを未然に防ぐために、自然と筋力はセーブされているのです。
そして、筋肉はたくさんの筋繊維の集まり。1本1本の筋繊維は筋肉を発揮する力を調整できません。発揮する筋力の大きさは、収縮した筋繊維の数で決まります。
ここで30%程度の筋力しか出ていないとは、30%の筋繊維しか収縮していないということ。そこで3セットを行えば、90%の筋繊維を収縮することになります。3セットでまんべんなく筋肉内の筋繊維を収縮させられるわけです。
効率のいい筋トレで鍛える部位は?
ダイエットのために筋トレをしている人も多いはず。このとき、どこの筋肉を鍛えると、もっとも効率のいい筋トレになるのでしょう。「体幹を鍛える」という言葉をよく耳にしますが、ダイエットには太もものほうが効果的です。
体幹まわりの太さは、下半身の太ももより大きいのは事実。しかし、体幹の大部分は内臓や脂肪です。一方の太ももの大部分は筋肉で構成されています。太ももの大部分が筋肉であることを考えれば、体幹との筋肉量の違いがよくわかるはずです。
実際、下半身の筋肉量は全身の半分以上である60%を占めています。なかでも太ももは大きな筋肉が集まっている場所。太ももの筋肉量は全身の40%も集中。このため、効率のいい筋トレは太ももをターゲットするのが正解です。
効率のいい筋トレには休息も必要
効率のいい筋トレに必要なのは、運動と栄養と休息です。運動によって筋肉に負荷をかけて、そのあとに栄養と休養を与えることで、筋肉は超回復させることができます。
そして筋トレには、超回復するまでに一定の時間が必要になります。筋トレでは、24時間あけないと十分な超回復ができないと考えられます。24時間たたないうちに同じ筋肉を使ったトレーニングを行えば、ただの過労になってしまいます。
効率のいい筋トレをするなら、1日目は腕や肩などの筋肉を鍛えたら、2日目に下半身の筋肉、3日目は体幹の筋肉を鍛える…というように、鍛える部分をローテーションするのがベスト。各パートの筋肉を超回復させながら、筋トレを連日重ねていくのです。
効率のいい筋トレの「3日+1日」
合宿などで厳しい筋トレなどを行う場合には「3日+1日」方式という効率のいい筋トレメソッドがあります。それは、3日間激しく筋トレをしてパフォーマンスを落としたあと1日休むというものです。
少しずつ筋トレを積み重ねるよりも、一挙に筋肉を超回復させたほうがはるかに効果が大。ただし、この超回復には栄養と休息がきちんと管理されている合宿などの環境であることが絶対条件です。
実際、この方式は日本のプロ野球キャンプで採用されているもの。「3日+1日」方式は有効なトレーニング方法といえるでしょう。効率のいい筋トレは「3日鍛えたら1日休む」です。
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