赤血球が多いだけでは持久力が上がらない理由
体中に酸素を運ぶのは血液の中の赤血球です。赤血球が多いと、そのぶんたくさんの酸素を運べるということ。とはいえ、赤血球が多いだけでは持久力は上がりません。というのも、赤血球が多いと血液が粘っこくなって血流が低下。結果的に酸素を運ぶ量が少なくなって、持久力が上がらないのでした。
赤血球が多いと酸素を多く運べる
赤血球の中のヘモグロビンが酸素が運び手。ヘモグロビンは肺から取り入れた酸素と結合して、酸化ヘモグロビンとなって酸素を全身に運びます。一方、筋肉の隅々にまで張り巡らされた毛細血管では、酸素を吐き出して二酸化炭素を吸収。血液に溶け込んだ二酸化炭素は肺でガスに代わり、体外へ排出されるのです。
このため、血液中の赤血球が多くなれば、酸素を運ぶ能力が高くなります。実際、運動を始めた人は赤血球数が多い状態。ヘモグロビン濃度も上がります。
しかし、トレーニングを重ねていくと、ある段階までは赤血球数やヘモグロビン濃度は高まりますが、それ以上になると増えません。血液は55%が水様の血漿。残りの45%が血球と呼ばれるものです。赤血球や白血球、血小板だったりします。
赤血球はある程度多いと増えない
ここで、赤血球が多いと水分の割合は減少するということ。そのぶん血液が粘っこくなってしまいます。こうなると、血管内を流れるスピードがダウン。全身を回る血流が遅ければ、結果的に酸素を運ぶ量は少なくなってしまいます。
このため、体は一番多くの酸素を運べるように、赤血球数やヘモグロビンの量と、血流の速さのベストバランスをとろうとするのです。これが赤血球が多いだけでは持久力が上がらない理由。血流が速ければそれだけ多くの酸素を運べます。
トレーニングを積んで赤血球がある程度多い状態になると、今度は心臓や血管が強くなってくのです。血流速度を上げることで酸素運搬能力をアップ。持久力を上げていくわけです。
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