腹横筋を鍛えることが腰痛予防になるメカニズム
腹横筋は、腹筋群の最下層に位置するインナーマッスル。内臓を正しい位置に保持する役割があるため、腹横筋を鍛えることで内臓下垂が解消することはよく知られています。しかし、腹横筋を鍛えるメリットはそれだけではありません。腹横筋を鍛えることが腰痛予防になるメカニズムを見ていきましょう。
腹横筋の腹圧を高める大事な役割
腹横筋はわき腹にある腹側筋の一種。わき腹では筋肉が三層になっていて、もっとも内側にあるのが腹横筋です。ちなみに、もっとも表層には肋骨から斜めに走る外腹斜筋、その下にあるのは逆向きの斜めに走る内腹斜筋になります。
腹横筋は腹部をコルセットのように覆う非常に薄い筋肉。腹圧を高めるという大事な役割を果たします。腹圧が高まると背すじが伸びて、地面からの反発を推進力へとスムーズに変換。一歩目が速くなるのです。
そもそも腹部には肋骨のような骨格がありません。背骨がある以外は空洞になっています。腹横筋の役割は、この腹部の空洞にサッカーボールが入っていることをイメージするとわかりやすいでしょう。
腹横筋を鍛えると腰痛予防になる
もしサッカーボールの空気圧が低くてフニャフニャな状態では、体幹が安定しません。空気がパンパンに入っていなければ、体の土台は安定しないのです。腹横筋を鍛えて腹圧を高めることがいかに重要かわかるでしょう。
さらに、腹横筋を鍛えることは体幹だけでなく、背骨の安定にもつながります。腹横筋を収縮させたときと収縮させないときの背骨の強さを比べた実験では、腹横筋を収縮させたほうが4割も強い力に耐えられるという結果が出たのです。
このため、日ごろから腹横筋を鍛えていると、腰椎を安定させられるということ。結果的に、椎間板への負荷を減らすことになります。こうして腹横筋を鍛えることは、椎間板ヘルニアなどの腰痛予防になるのでした。
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