内臓脂肪のつきすぎが全身に悪影響を与える理由
肥満が問題視されるのは、一般的に肥満の人が生活習慣病を発症しやすく死亡率が高いことから。皮下脂肪型肥満より内臓脂肪型肥満のほうが危険であることがわかっていましたが、その具体的なメカニズムがわかったのは最近のことです。内臓脂肪のつきすぎが全身に悪影響を与える理由を見ていきましょう。
内臓脂肪は数は増えずに大型化する
お腹まわりが太くなってくると、内臓脂肪が多くなると思いがち。しかし、内臓脂肪の数自体は増えません。内臓細胞の数は変わらずに、脂肪細胞が膨らんだ状態になって大型化しているのです。
健康な内臓脂肪はきれいに丸く脂肪細胞が並んでいます。その脂肪細胞のすき間に血管が張り巡らされた状態です。ところが、脂肪細胞が大型化すると1つ1つが脹らんですき間を埋めてしまいます。
きれいに丸かった細胞は梅干しのように形が崩れています。すき間がなくなってしまったため、まるで石垣のようにも見えるほど。内臓脂肪に酸素が供給されにくくなるため、さまざまな悪影響が出るのです。
内臓脂肪から分泌が減る善玉物質
大型化した内臓脂肪から分泌が減る善玉物質がアディポネクチン。アディポネクチンは血管に溜まった脂肪をすばやく除去して血管を修復する働きがあるほか、インスリンを活性化させて血糖値の上昇を抑える作用もあるのです。
内臓脂肪の大型化によって分泌が減る善玉物質には、脳に満腹になったことを知らせるレプチンもあります。大型化した脂肪細胞は、食後にレプチンを分泌する働きが低下。つい食べすぎてしまって糖尿病などを招くことになるのです。
逆に、大型化した内臓脂肪が分泌する悪玉物質TNF-αは、インスリンの働きを妨げて糖尿病を引き起こします。また、内臓脂肪が分泌する悪玉物質である酵素アンジオテンシノーゲンは血圧を上げる物質を作るのです。
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