有酸素運動は水だけを飲んだほうが持久力がつく
有酸素運動中の水分補給と栄養補給に関して、おもしろデータを紹介しましょう。有酸素運動系のトレーニングを行うときに、一方は糖質入りの飲料、もう一方はただの水を与えた比較実験になります。じつは、ただの水を与えたグループのほうが有酸素運動系のトレーニングで持久力がアップしたのです。
有酸素運動中にグリコーゲンが枯渇
実験は、糖質入りの飲料グループと水だけ補給グループが、それぞれ週3~4回の有酸素運動系のトレーニングを8週間続けるというもの。すると、どちらのグループもグリコーゲンの貯蔵量が増加しました。
ところが、水だけ補給グループのほうがよりグリコーゲン貯蔵量が多くなったのです。グリコーゲンは、体内でエネルギーを一時的に保存しておくもの。ブドウ糖に分解されて、エネルギーとして使用されるものです。
糖質入りの飲料グループは、有酸素運動中に糖質をエネルギーに変えて使用していると考えられます。一方、水だけ補給グループは有酸素運動中、体内のグリコーゲン飲みをエネルギーに使用するためどんどん枯渇してしまうのです。
有酸素運動中の栄養補給はマイナス
貯蔵量がアップした理由は、グリコーゲンの枯渇した状態を作り出したことにあります。体が枯渇状態を認識して、よりグリコーゲンを溜め込もうとするからです。いわばグリコーゲン貯蔵量の超回復といえるでしょう。
ここで、グリコーゲンの貯蔵料の増加は持久力アップに大きく影響します。有酸素運動中の栄養補給は、持久力アップという意味ではマイナス効果。水だけ補給したほうが、より多くのグリコーゲンを貯蔵できるようになります。
マラソンやサッカーなど持久力が必要なスポーツでは、トレーニング中は水だけ補給したほうが効果的ということ。持久力アップには有酸素運動中の栄養補給は、マイナス効果となるのでした。
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