コアトレーニングの必要性を骨格標本で理解する
コアトレーニングが運動能力の向上には欠かせないことが広く認識されてきました。コアトレーニングとは、腹腔内の内圧を高めるために腹横筋や横隔膜、骨盤底筋群、多裂筋といったインナーマッスルを鍛えること。コアトレーニングの必要性については、骨格標本を見ればすぐに理解できるでしょう。
コアトレーニングですばやい動作
人間の骨格標本を見てみると、胴体のお腹の部分にある骨格は背骨だけ。あとは空洞になっています。すなわち、お腹にぽっかりとあいている空洞を支えているのは、腹腔を囲んでいる筋肉。コアトレーニングが必要になるわけです。
お腹の空洞の上にある胸の部分にも問題があります。肋骨や胸骨で構成されている胸郭には姿勢を維持するための筋肉が存在しないため、ほとんど動きません。ちなみに、胸の前面にある大胸筋は腕を動かすための筋肉です。
この胸郭を支えるのも腹腔の役目。腹腔を囲っている筋肉は空洞を埋めるだけでなく、その上の胸郭を支える役目も担っているというわけです。すばやい動作にはコアトレーニングは欠かせないでしょう。
コアトレーニングで内圧を高める
コアトレーニングは、腹腔を囲っているインナーマッスルを鍛えることで内圧を高めることが目的です。腹腔の内圧の重要性は、お腹にサッカーボールが入っていると考えるとわかりやすいでしょう。
お腹に空気があまり入っていないベコベコのサッカーボールが入っていた場合、胸郭を支えることができずに正しい姿勢がとれません。歩いたり走ったりと移動するときも、上体の揺れを吸収できずに姿勢が乱れてしまうはずです。
これが空気が詰まったサッカーボールなら、胸郭をしっかり支えて正しい姿勢をキープ。走ったり止まったりするときの衝撃も吸収してくれます。これこそがコアトレーニングで運動能力が向上する仕組みなのです。