プライオメトリクストレーニング2つの代表例
プライオメトリクストレーニングとは、いわゆる筋トレなどとは違ったスキルトレーニングになります。筋肉は「つける」ことが目的ではありません。筋肉は「使う」ことができなければ、ただの張りぼてのようなものです。そこで、代表的なプライオメトリクストレーニングを2つ紹介しましょう。
プライメトリクストレーニングは反動を意識
筋トレで筋肉は大きくできても、使える筋肉にすることはできません。そして、あらゆるスポーツ動作に共通する体の使い方のポイントが反動。この反動を巧みに使えるようにするのがプライオメトリクスというわけです。
典型的なプライメトリクストレーニング例が「しゃがみこみジャンプ」。動きながら力を発揮するトレーニングとして伝統的に行われています。プライオメトリクストレーニングは切り返しを意識して、爆発的な力を発揮することがポイントです。
そこで、代表的なプライメトリクストレーニングを2つ紹介しましょう。1つは「スクワットジャンプ」です。しゃがみ込んだら大きくジャンプ。着地の勢いを使って連続して反復を繰り返します。
プライオメトリクストレーニングは全力10回
このプライオメトリクストレーニングのメニューは全力で10回が目安。単純な切り返しだけでなく、上体のあおりや腕の振りなど全身の反動を使って動作します。着地して1回止まってしまわないよう注意しましょう。
2つめのプライオメトリクストレーニングは「プッシュアップジャンプ」です。腕立て伏せをしながら、両腕を伸ばすタイミングで手で地面を押して、上体をジャンプさせるメニューになります。
このメニューも全力で10回が目安。手首を傷めやすいので、マットなどを使うと良いでしょう。着地して1回で止まってしまわずに、着地の勢いをうまく使って連続して行います。上体のあおりを使うことがポイントです。
プライオメトリクストレーニングは脱力が大切
プライオメトリクストレーニングは脱力が大切です。脱力のわかりやすい例でいえば、投球動作で「肩に力が入っている」と表現される状態です。いわゆる、力んだ動きになります。肩の筋肉が緊張している状態では、指先を走らせるのが難しいのは容易に想像がつくでしょう。
この脱力を覚えるトレーニングとして、軽負荷のプライオメトリクストレーニングが有効です。切り返し動作の前の局面は脱力しておき、筋肉が伸張されて切り返す瞬間にのみ力を発揮します。
軽負荷のプライオメトリクストレーニングの目的は、必要なタイミングでの脱力と力発揮の感覚を養うこと。このため、動作は全力で行う必要はありません。リラックスして、全力の20~30%くらいの感覚で行います。
プライオメトリクストレーニングに軽負荷筋トレ
でプライオメトリクストレーニングに用意する負荷はあまり軽すぎても感覚がつかみづらいもの。全力で挙げられる重さの20%くらいを目安にします。このプライオメトリクストレーニングは、野球やテニスなどで「手打ち」と呼ばれる力んだ動作をする人には有効です。
軽負荷のプライオメトリクストレーニングは、たいていの筋トレメニューに応用することができます。筋肉がストレッチされるところで切り返し動作を行うように、可動域を広くとって大きく動作することがポイントです。
たとえば、ベンチに仰向けになってダンベル胸の前からまっすぐ上に挙げるチェストプレスでもプライメトリクストレーニングは応用できます。軽めの動きで20回程度、大胸筋のストレッチ感を感じながら、リズミカルに切り返し動作を行ってください。
プライオメトリクストレーニングと初動負荷
プライオメトリクストレーニングと似ているのが、非常に軽い負荷を使って行う初動負荷トレーニングです。初動負荷トレーニングは動作の切り返しの瞬間にだけすばやい力を発揮するようにします。切り返しの瞬間以外は、筋肉を完全に脱力するのが特徴です。
切り返し動作を強調した初動負荷トレーニングは、いわゆるプライオメトリクストレーニングメソッドの一種にあたります。プライオメトリクスは「増大・増加」という意味のギリシャ語が由来です。
プライオメトリクストレーニングは、伸長させる力を加えて筋肉を一度引き伸ばしておいてから、次の瞬間に急速な収縮をさせることで爆発的なパワーを出すことを狙ったトレーニング方法になります。
##プライオメトリクストレーニングと代表的メニュー
台から飛び降りた下向きの力を切り返すことで、通常より高く飛び上がる「デプスジャンプ」はプライオメトリクストレーニングの代表的メニュー。初動負荷トレーニングもプライメトリクストレーニングの動きの特徴である切り返しを重視します。
初動負荷トレーニングはとくに、力んでしまって手打ちや手投げになる人に有効なメソッド。ウェイトトレーニングなどで力を付けたはよいものの、スポーツ動作で腕や肩に力が入りがちになる人に向いています。これもプライオメトリクストレーニングの効果とほぼ同じです。
また、初動負荷トレーニングでは動作の切り返しを、関節の可動域の目一杯のところで行うことも特徴。このため、初動負荷トレーニングはプライオメトリクストレーニングと比べて、筋肉の柔軟性を高めて関節可動域を広げる効果が高いのです。
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