腹圧性尿失禁は骨盤底筋トレーニングで改善する
腹圧は体の芯を安定させて体のバランスを保つもの。ただし、よいことばかりではありません。「腹圧性尿失禁」とは、くしゃみや咳でお腹にグッと圧力がかかったときに、尿意とは無関係に膀胱にたまった尿が漏れる症状。腹圧性尿失禁は軽症であれば、骨盤底筋トレーニングで改善します。
腹圧性尿失禁の改善トレーニング
腹圧性尿失禁の原因は、加齢や出産などで尿の通り道である尿道を支える骨盤底筋群というインナーマッスルがゆるむこと。腹圧性尿失禁の治療法は、軽症であれば緩んだ骨盤底筋トレーニングや、尿道を締める効果があるとされる薬を使います。
腹圧性尿失禁を改善する骨盤底筋トレーニングは、足を肩幅程度に開いてリラックスして立った姿勢で行います。この体勢で肛門を締めるイメージで力を入れて5秒間キープ。引き締めておへその裏に押し上げるイメージです。
ポイントは、腹圧がかかっていない状態で骨盤のみを締めるようにすること。腹筋は使わずにリラックスした状態で、肛門を締めるようにします。骨盤底筋トレーニングは5秒間キープを10回を1セットにして、朝昼晩の3セット行いましょう。
腹圧性尿失禁の手術は保険が適用
腹圧性尿失禁で1年以上尿漏れが続いて、トレーニングや薬で改善しない場合は、尿道を支えるスリング手術を行います。ただし、腹圧性尿失禁の手術は、妊娠・出産を予定している人はできません。
腹圧性尿失禁の手術には、支え方が異なる2通りの方法がありますが、どちらも所要時間は20~30分程度。公的医療保険が適用され、4泊5日の入院の場合は3割の自己負担で17万円ほどです。
体への負担は少ないので手術をした日から歩くことが可能。ただし、手術後1か月は排便時に長くいきまない、重い物を持たない、長時間立ち続けない…など、腹圧を強くかけないよう注意しなければなりません。
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