握力計を30%の力で2分ほど握ると高血圧が治る
減塩や運動をしてもなかなか下がってくれないのが高血圧。ところが、握力計を30%の力で2分ほど握ることで、高血圧が治ることがわかりました。家に握力計がなければ、タオルを握ることでも代用可能です。握力計を30%の力で握るとなぜ高血圧が治るのか、そのメカニズムを見ていきましょう。
握力計を使うと2倍以上も血圧低下
カナダの予防医学の最先端を行くマクマスター大学に、高血圧予防のスペシャリストであるフィリップ・ミラー博士は在籍。このミラー博士らが見つけた画期的な方法は、いまアメリカの学会をはじめ世界が大注目しています。
その方法が握力計を使うもの。平均で10%も血圧が下がります。減塩やダイエット、アルコール制限、有酸素運動など、生活改善によって下がる血圧はせいぜいマイナス5mmHgが上限です。ところが、握力計を使うとその2倍以上も血圧が低下します。
具体的には、握力計を30%の力で2分握るというもの。1分の休みを挟んで、左右2回ずつ行います。かかる時間は約10分、正確には合計11分です。握力計なので、30%の力を簡単に計測できます。
握力計による刺激で柔軟性が高まる
握力計は家庭にあるタオルで代用することができます。タオルを握って指が付かないくらいの厚さにして握っているだけ。これで握力計で30%ほどの力になるのです。
握力計を30%の力で握っていると、筋肉がきゅっと縮むので血流が少し低下します。大切なのはそのあと。握るのをゆるめると、血液がどっと流れます。すると、一酸化窒素が出てくるのです。
一酸化窒素は血管を広げて、やわらかくする働きがあります。このおかげで血管機能が改善して、血圧が低下するのです。握力計による血管への刺激が続くと、血管自体の柔軟性が高まると考えられています。
握力計で高血圧を改善する方法は、誰でも手軽にできる運動で、しかも雨が降ってもできるし、足が悪くてもできます。かなり期待のできる治療法といえるでしょう。