「読み聞かせ」はデュアルタスクで脳トレになる
高齢者が3か月間受講して、認知機能が向上したボランティア活動が「読み聞かせ」です。これは東京都健康長寿医療センター研究所が発表したもので、読み聞かせトレーニングを3か月実施したところ、記憶力検査の成績が改善しました。「読み聞かせ」はデュアルタスクで脳トレになるのです。
読み聞かせで脳の左右両方が活性化
実際に本を子どもに読み聞かせをするとき、脳がどれくらい活性化するかを調べてみましょう。使用するのは「光トポフラフィ」と呼ばれる装置。脳の血流量を測定する装置です。
脳が活動するには酸素と栄養素が必要になります。すなわち脳が働くためには、酸素と栄養を含んだ血液が必要ということ。このため、脳が活性化するとそこにたくさんの血液が運ばれるため血流が増加するのです。
子どもの反応を見ながら読み聞かせをするようにお願いして読み聞かせをスタート。すると、脳の右側と左側が赤くなりました。脳の左右両方が活性化していることを示しています。
読み聞かせは反応を見ながら読む
ここで左側というのは読む・話すなどの行動を司る部分。右側はコミュニケーション能力などを司る部分です。読み聞かせはこの両方を刺激して、脳の広範囲を活性化するということ。だから認知症の予防に効果的なのです。
絵本の読み聞かせは、単にストーリーをいうだけではなく、聞き手に対してわかるように読むもの。子どもたちの反応を見ながら、本を読むスピードを調節したり盛り上げたりします。
こういった行為は、2つの作業を同時に行うデュアルタスクと呼ばれるもの。注意を分割しながら読み聞かせをすることが、脳の活性化に効果を発揮するわけです。
新聞などで自分が新しく知った情報を家族に聞かせることも、読み聞かせと同じように脳のトレーニングに効果的という研究報告もあります。新しく得た知識を家族に興味深く話すことが大切です。
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