運動前の静的ストレッチがケガの原因になる理由
ストレッチには静的と動的という種類があります。静的ストレッチは前屈や開脚で筋肉を伸ばすもの。動的ストレッチは、軽くステップを踏みながら腕を上下させるような動きです。このうち、多くの人が運動前に静的ストレッチを行っているはず。しかし、運動前の静的ストレッチがケガの原因になるのです。
静的ストレッチでケガは減らせない
1998年にオーストラリア陸軍による検証実験で、静的ストレッチにケガの危険性を減らす効果がないことがわかりました。運動前の静的ストレッチは逆に、ケガの原因になる可能性もあるのです。
検証実験は、入隊したばかりの隊員1,538人を静的ストレッチをするグループと、しないグループに分けて検証したもの。3か月間、厳しい訓練を受け続けた結果、それぞれのグループでケガをした隊員の割合を調べました。
すると、静的ストレッチをするグループが21%という結果。一方のストレッチしないグループは22%。静的ストレッチをしようとしまいと、隊員がケガをする割合は変わらなかったのです。
静的ストレッチで筋力10%ダウン
静的ストレッチで柔軟性がアップすることは事実。実際、前屈などの柔軟性はストレッチ後のほうが大幅にアップします。しかし、それと引き換えに失ってしまうのが筋力なのです。
筋力は静的ストレッチ前と比べると、なんと10%もダウン。静的ストレッチによって、筋力および瞬発力が低下してしまうのです。実際に入念なストレッチを行うと、筋肉が緩んだ状態になります。それに加えて、腱まで緩んでしまうのです。
静的ストレッチは筋肉と腱をパンツのゴムが緩んだように伸びた状態にしてしまいます。このあと運動すると、力を入れなければならない場面で力が入らないという現象が発生。捻挫がおきてしまうのです。
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