気象病の予防には抗ヒスタミン剤の酔い止め薬
気象病の患者さんに聞いた痛むところトップ3は、1位が頭、2位が首、3位が肩でした。上半身が多いのが特徴です。これらの気象病は、低気圧の接近・前線通過など気圧の変化に大きく影響されます。そこで気象病がおきるメカニズムとその予防法を詳しく見ていきましょう。
気象病の人は有毛細胞が敏感
気象病の原因となる気圧の変化を感じているのは耳です。エレベーターや飛行機など、大きな気圧の変化があると耳の奥がキーンとなるもの。気圧の変化を感知するのは耳の奥の内耳にある有毛細胞です。
有毛細胞が気圧変化を感知すると、内耳と脳をつなぐ前庭神経が混乱をきたします。その情報が脳から全身に伝わるのです。怪我をしていない部分は当然、影響を受けませんが、過去に怪我などをした箇所があると、その患部の痛覚神経を刺激して、気象病の痛みが発生するのです。
ただし、有毛細胞の感受性には個人差があります。気象病の人は、この有毛細胞の感受性が敏感ということがわかっているのです。
気象病は酔い止め薬で予防
気象病の予防法の1つは、天気予報を見ることです。天気予報を見ることで、痛み出すタイミングや、どれくらい痛みが続くのかを知ることができます。これによりストレスが減り、痛みの緩和につながるのです。
また、気象病の痛みやめまいなどは普通の薬局で買える市販薬で予防できます。それが酔い止め薬です。乗り物酔いの原因も内耳と脳をつなぐ前庭神経の混乱。気象病と発症の仕組みが似ているのです。
そして、抗ヒスタミン剤が含まれる酔い止め薬には、前庭神経を沈める効果があります。このため、頭痛やめまいなどの気象病予防には、効果が期待できるのです。耳が詰まった感じや眠気、頭がボーっとする、肩や頭が重いなど、乗り物酔いの予兆を感じたら飲むようにします。
手元に酔い止め薬がないときに試したい気象病の予防法がツボです。手首のしわからひじのほうへ指3本分のところに内関というツボがあります。このツボが酔い止めに効くのです。
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