HIITでスプリントと持久力がアップする理由
「HIIT」とは「ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング」の略。短時間で高強度のインターバルトレーニングのことです。具体的には、ダッシュなどの高強度の運動20秒と休息10秒を6~8セット繰り返します。そんなHIITで、スプリント能力だけでなく持久力もアップする理由を見ていきましょう。
HIITが持久力向上に効果を発揮
HIITには、短時間・高強度のスプリント系の運動でありながら、持久力の能力指標である最大酸素摂取量を大きく向上させる効果があります。HIITはオールマイティな効果があり、しかもそれが短時間で得られることが魅力です。
なぜHIITが持久力向上に効果を発揮するのかは、エネルギー代謝の仕組みで説明できます。筋肉内のエネルギー生成は、無酸素性と有酸素性の2段階の反応で行われるものです。
1段階目の無酸素性のエネルギー反応は反応速度容量が大きく、2段階目の有酸素性のエネルギー反応よりもはるかに速く反応を進めることが可能。このため、高強度運動を行うと無酸性のエネルギー反応に有酸素性が追い付かなくなります。
HIITは徐々に有酸素性反応が進む
すると、2つの反応の中間代謝物であるピルビン酸がその先の反応に進めなくなり、乳酸に形を変えて蓄積。乳酸濃度が上がるとpHが下がって細胞内の反応を緩慢にします。これが疲労の原因の1つとなるわけです。
ここで50m走などの通常の高強度運動では、1段階目の無酸素性のエネルギー反応が優先され、2段階目の有酸素性のエネルギー反応にあまり進みません。
ところが、HIITはショートインターバルで続けることで徐々に有酸素性のエネルギー反応が進むようになり、セット終盤には有酸素性の反応が能力の限界まで使われるようになるのです。こうして、有酸素性反応を鍛える効果が高まるために、持久力がアップするのでした。
■「スプリント」おすすめ記事
瞬発力を生み出すのは軸足の筋肉の反応の速さ
岡崎慎司が実践!瞬発力を養う地味トレーニング
■「持久力アップ」おすすめ記事
筋持久力を高めるには白筋を鍛えるしかない!?
細マッチョの筋トレは筋パワーや筋持久力を重視
遅筋を鍛えても筋持久力がアップしない理由とは
持久力には「全身持久力」と「筋持久力」がある
LSDトレーニングで持久力がアップする理由