冷え性なのに手足が冷たくなる症状が出ない理由
ここ数年、ある不思議な冷えを訴える患者さんが増えています。冷え性なのに手足が冷たくないという症状。本人は冷えがひどくて困ると訴えているものの、手足を触ると温かいという症状です。じつはこれが内蔵型冷え性。典型的な内臓疲労を招いていしまう病気なのでした。
冷え性の症状が手足に出ない
人間は寒さを感じると、体中心部の血流を増やして生きるために必要な内臓の熱を奪われないように調節しています。そのため、手足の末端に血液が十分に届かなくなってしまって、冷え性の症状が現れるのです。
しかし、この患者さんの手足には冷え性の症状がありません。このため、当初はその原因がわからなかったといいます。患者さん自身もいろいろなことをやったり、いろいろなところに行っても一向によくならないと話していました。
そこで、手足だけでなく体のさまざまな部分の温度を細かく測定。すると、意外なことがわかりました。体の中心部の体温が下がっていたのです。漢方でいうと「裏寒(りかん)」という状態になります。
内臓型冷え性は発見が難しい
こうして、わかったことが内臓型冷え性という存在。内臓型冷え性とは、体温を調節する働きが衰えてしまうことで内臓の温度が低下。おもにお腹まわりを中心に、ひどい冷えを感じる症状です。
通常の冷え性とは違い、手足の温度は変わらないため、一般の検査では発見するのが難しいのが内臓型冷え性。少々やっかいな冷え性といえるでしょう。冷えた内蔵は機能が落ちるため、内臓疲労を招いてしまいます。
内臓型冷え性の原因は、自律神経の交感神経が弱っていることにあります。本来、寒ければ血管が収縮して熱が逃げにくいように調節をするところを、その調節ができなくなっているのでした。
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