腹式呼吸の効果は横隔膜による自律神経の活性化
腹式呼吸にはリラックス効果があるといわれています。たしかに長く息を吐く腹式呼吸をすると、気分が落ち着く実感があるでしょう。とはいえ、腹式呼吸のリラックス効果のメカニズムはあまり知られていません。じつは、腹式呼吸の効果は横隔膜の上下運動による自律神経の活性化にあるのです。
腹式呼吸の効果は横隔膜に秘密
お腹を膨らませたりへこませたりしながら、ゆっくり呼吸するのが腹式呼吸です。お腹を膨らませながら息を吸い、へこませながら長く息を吐くのが一般的な腹式呼吸のやり方になります。
腹式呼吸の効果としてよく知られているのがリラックス効果です。腹式呼吸を行うと、どうしてリラックス効果が得られるのでしょう? それは腹式呼吸によって上下する横隔膜に秘密があります。
横隔膜は筋肉の一種。空気を吸うための筋肉になります。横隔膜は収縮すると、腹腔側に下がるため、胸腔内に空気が呼び込まれるわけです。横隔膜が弛緩すると胸空側に戻されて、息を吐くのを促します。
腹式呼吸効果は自律神経の活性化
ここで腹式呼吸をすると、横隔膜の上下運動がより大きくなるのです。息を吸うときにお腹を膨らませると、腹腔内の気圧が下がって横隔膜がより下がります。そして、息を吐くときにお腹をへこませると、今度は気圧が上がって横隔膜がより胸腔側に上がるというわけです。
腹式呼吸の効果の秘密は、この横隔膜の上下運動にあります。ふだんよりも横隔膜が上下に動く幅が大きくなると、その周辺にある神経叢という神経細胞の小集団を刺激。これが自律神経の活性化につながるのです。
ゆっくりと長く吐く呼吸をする腹式呼吸をすることで、横隔膜を介して副交感神経が刺激を受けて、自律神経のバランスが整う効果があります。すなわち、腹式呼吸の効果は自律神経のマッサージのようなものだったのです。
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