フェリチン不足で「隠れ貧血」になるメカニズム
日本人女性の推定1千万人以上が「隠れ貧血」といわれています。隠れ貧血は健康診断の血液検査ではわかならい貧血。ポイントとなるのはフェリチンです。フェリチンはいわば鉄の貯蔵庫。このフェリチン不足で「隠れ貧血」になるメカニズムを見ていきましょう。
鉄は肝臓でフェリチンに貯蔵される
貧血と大きな関係があるのが鉄。じつは鉄は、体中に酸素を運ぶという重要な役割を果たしています。食べ物から摂取した鉄は血液中で酸素と結びついて、全身の細胞やありとあらゆる臓器に酸素を供給しているのです。
そして、隠れ貧血とは、通常の健康診断の血液検査では異常がないのに、知らず知らずのうちに貧血の症状が出ている状態のこと。ここで重要なカギを握るのが鉄の貯蔵庫であるフェリチンです。
食べ物で摂取した鉄の行き先は2つあります。体に取り込まれた鉄分はまず血液に入り込むもの。ヘモグロビンが合成されます。そして、それがいっぱいになったときの鉄の行き先が肝臓。ここでフェリチンに鉄は貯蔵されます。
フェリチン不足で隠れ貧血で悩む
そして、通常の健康診断で調べるのはべモグロビンの鉄。フェリチンの鉄は調べないのです。このため、フェリチンが極端に足りなくなった状態は通常の健康診断では見つからないというわけ。「隠れ貧血」と呼ばれるゆえんです。
隠れ貧血でフェリチンの鉄の蓄えが減少すると、ヘモグロビンへの鉄の補給を節約。結果的に、酸素不足がおきることです。すると、酸素不足になった脳や内臓はさまざまな不調をおこすことになります。
ここでフェリチンが80%以上であれば診断基準は正常。30~80%になると、隠れ貧血と診断されます。そして、30%以下になってようやく貧血と診断されるのです。ただし、健康診断で貧血と診断されるのは、フェリチンが30%以下になってからです。こうして、フェリチン不足で隠れ貧血で悩むことになるわけです。
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