呼吸は腹圧の変化で横隔膜が上下することで成立
1日に2万回以上行っている呼吸ですが、実際にどのようなメカニズムで肺が動いているかを理解している人は少ないでしょう。そもそも肺は自力では動くことができない臓器。それを動かしているのが呼吸筋と呼ばれる筋肉群です。なかでも横隔膜が上下することで呼吸は成立しているのでした。
横隔膜の上下動で呼吸は成立する
肺は自力で動くことができません。呼吸が成立するのは横隔膜の上下動があるため。横隔膜が下がると胸郭が広がるために肺が膨張。空気が入ってきます。横隔膜が上がったときは胸郭が縮むために肺が収縮。空気が出ていくのです。
横隔膜は筋肉ですから、収縮と弛緩を繰り返すだけ。具体的には、横隔膜が収縮すると下に引き下がり、弛緩すると横隔膜は上に上がる仕組みになっています。
そして、この横隔膜の上下動に大きく関わっているのが腹圧です。
腹圧とは腹腔にかかっている一定の圧力のことになります。腹圧によって内臓の位置は安定し、背骨のS字カーブも維持。そして腹圧が高ければ、横隔膜の弛緩時にそれだけ上に上がるというわけです。
腹式呼吸は腹圧で横隔膜を上下
腹圧をコントロールしているのは、4つのインナーマッスル。腹横筋と多裂筋、骨盤底筋群と横隔膜になります。なかでも、腹横筋は腹圧をコントロールする重要なインナーマッスルです。
ただし、現代人はこれらのインナーマッスルが弱体化。腹圧が低くなってしまっています。すると、横隔膜の上下動が少なくなって、呼吸が浅くなってしまうのでした。酸素を取り入れる効率が非常に悪い状態なのです。
それを改善するのが、腹圧を使って呼吸する腹式呼吸になります。息を吸うときにお腹をふくらませるのは、腹圧で横隔膜を下に引き下げるため。息を吐くときにお腹をへこませれば、腹圧を高めて横隔膜を上に上げられるというわけです。
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