腹圧を高める腹式呼吸の効果で腰痛が予防できる
腰痛になりやすい人は腰痛になったことがない人に比べて、お腹をふくらませる力である腹圧が40%も弱いことがわかりました。空気を大きく吸い込むとお腹がふくらみます。このお腹をふくらませる力が腹圧です。腹圧を高める腹式呼吸の効果で腰痛を予防する方法を紹介しましょう。
腹圧が弱いと腰への負担増
腹圧は体の芯を安定させて体のバランスを保ちます。このため、腹圧が弱いと腰への負担が増えてしまうのです。
腹圧の測定に使用するのは血圧計。血圧計をお腹に巻いた状態で、どれくらいお腹をふくらませられるかを測定します。このとき、血圧計の目盛りが20mmHG以上上がらないと、腰痛になりやすいということです。
実際の測定では、息を大きく吸いながらお腹を膨らませます。お腹をグーッと出すようにしてください。このときに血圧計の目盛りがどらくらい上がるかを測定するのです。
腹圧を高めるトレーニング
腰痛を予防するためには腹圧を高めることがポイント。そして、腹圧を高めるトレーニングが腹式呼吸です。腹式呼吸は鼻からゆっくり息を吸い込み、口から吐きます。お腹に手を当てて、動いているかを確認して20回ほど動かしましょう。
なお、腹式呼吸で動かしているのは見た目上はお腹ですが、実際の効果は横隔膜の上下にあります。お腹をふくらませると横隔膜が下がり、お腹をへこませると横隔膜が上がるのです。
横隔膜が下がると肺のスペースが広がって、より大きく息を吸い込むことが可能。さらに息を吐くときに横隔膜が上がると肺のスペースが縮んで、より大きく息を吐き出せるのが腹式呼吸の効果というわけです。
腹圧を高めてぽっこりお腹を解消
腹圧を高めることは、ぽっこりお腹の解消にも効果的です。というのも、胴体の上部は肋骨で囲まれた胸郭、そして下部には骨盤という頑丈な構造になっています。しかし、その間に挟まれた腹部には背骨以外の骨格はありません。
そして、骨格の代わりに腹部を支えているのが腹圧というわけ。そして、腹圧を左右するのは、腹横筋と内腹斜筋、背筋群の多裂筋、腹腔の天井にあたる横隔膜、そして骨盤の底を支える骨盤底筋群の4つのインナーマッスルです。
ここで腹圧が弱いと、腹部は上下から押しつぶされてふくらんでしまい、内臓群が前面に押し出されてぽっこりお腹となります。逆に腹圧が高まると、自然と背筋が伸びて内臓群もスリムに収まるようになり、お腹ぽっこりが解消するのです。
腹圧を高めることはスポーツでも重要
腹圧を高めることはスポーツの現場で重要視されています。腹圧を高めることがスポーツで重要視されるのは、お腹のインナーマッスル群をサッカーボールに見立てると理解しやすいでしょう。
スポーツの動作では上半身と下半身の連動が大きなパワーを生み出します。しかし、腹部の空洞に入っているのが空気の抜けたサッカーボールでは、そこでパワーを吸収されてしまうでしょう。
しかし、空気がしっかり入ったサッカーボールが腹部の空洞に入っていれば、下半身の力を上半身に伝えるのにもロスがありません。腹圧を高めることは、そのままスポーツの動作やパフォーマンスに好影響を及ぼすのでした。
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