骨盤の歪みといっても骨格そのものは歪まない
骨盤の歪みといっても骨格そのものが歪むケースはほとんどありません。実際、骨盤はいくつかの骨で構成されていますが、靭帯によって強く結合されているからです。むしろ問題なのは骨盤の傾き。骨盤の前傾や後傾が標準より大きくなることを骨盤の歪みと呼ぶのでした。
骨盤の歪みといっても骨格は動かない
骨盤とは、脊柱の一部である仙骨と尾骨、その左右にある腸骨・恥骨・坐骨からなる寛骨とで構成されている骨の総称です。骨盤は上半身と下半身をつなぐ部位として、重要な役割を担っています。
いわゆる骨盤といわれてイメージする左右の出っ張りは寛骨です。寛骨は体の前では恥骨結合と呼ばれる軟骨組織でつながり、後ろ側にある仙骨は仙腸関節で、足にある大腿骨とは股関節でつながります。
ここで、骨盤の骨同士の関節は靭帯によって強く結合されているもの。ここの骨が単独で大きく動くことはありません。このため、骨盤の歪みといっても、骨格そのものが歪むことはないのです。
骨盤の歪みは骨盤の傾斜が大きい状態
骨盤の状態で問題なのは、前後左右の傾きになります。なかでも骨盤の前後の傾きについては骨盤傾斜角が指標です。
骨盤傾斜角は骨盤前面の左右の出っ張りである上前腸骨棘と、お尻の上部にある2つの出っ張りである上後腸骨棘とを結んだ線が水平から何度傾いているかで表されます。日本人は10~15度前傾しているのが標準的です。
この骨盤の前傾が大きくなると、骨盤が前にせり出すようになって、脊柱のS字の湾曲が深くなります。逆に標準値より後傾すると、脊柱の湾曲が浅くなるのです。この傾斜が通常より大きくなる状態を骨盤の歪みというのでした。
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